フォルクスワーゲン・ゴルフ・ブルーモーション
公開 : 2013.07.03 18:00 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
最も経済効率に優れた新しいフォルクスワーゲン・ゴルフのブルーモーションだ。108bhpのパワーと25.4kg-mのトルクを発揮する1.6ℓのターボ・ディーゼルを搭載し、31.3km/ℓの燃費と85g/kmのCO2排出量を誇る。この値は先代ゴルフのブルーモーションよりも15%ほど向上した値である。
ブルーモーションは、現在の燃費仕様エンジンの標準的なエンジニアリングとなっているアイドリング・ストップとバッテリー再生システムも持つ。また、スタンダードなゴルフよりも15mm低められた全高は、空力的なアドバンテージを持つ。更にブルーモーションでは、ドラッグの現象を目的としたリア・スポイラー、改善されたフロント・グリル、そしてアンダーボディ・パネルが採用され、最適化されたエンジンおよび冷却システムが与えられるなどして、燃費の向上が計られている。加えて、タイヤは転がり抵抗の少ないものが装備され、6速ギアボックスはハイギアードな設定となっている。
価格は3ドア・ハッチバックが£20,335(310万円)、5ドア・ハッチバック£20,990(320万円)だ。われわれがドライブしたのは3ドア・モデルである。
■どんな感じ?
ブルーモーションは、ハンサムでイージードライブなフィーリングと、高い経済性を両立させたモデルである。われわれが知りたいのは、本当に燃費に優れているのかということと、燃費をあげるためにエンジニアリング面での妥協はないかということだ。
まずその最初については、われわれはオランダの比較的短い40マイルほどのテスト・ルートに制限されたため、完全な応えではないが、分別のあるドライブをした結果、ゴルフのトリップ・コンピュータは26.9km/ℓを表示した。この数値は、フォルクスワーゲン・グループのトリップ・コンピュータを使用した経験値から10〜15%ぐらいの誤差でしかないので、その燃費は非常に優秀であえると言えよう。
また、エンジニアリング面での妥協は非常に少ない。エンジンは1000rpmであっても非常に滑らかで優雅だ。さすがに、これほどまでに低回転を使うとステアリング・ホイールに振動が起きるが、エンジンはそこからでも躊躇なく回転をあげる。また、1000rpmを越してしまえばステアリングの振動もなくなる。ハイギアードなギアボックスも、追い越し加速などでも不満が起きなかった。
乗り心地は、はっきりとした路面の凹凸についてはさすがに衝撃を伝えるが、オランダの滑らかな道の上では、総じてスムーズな乗り心地を提供してくれた。
但し、もし、あなたが常に荷物を一杯に積んでドライブすることが必要なのであれば、強力なエンジンを搭載した2.0TDIのほうがベスト・チョイスとはなろう。
■「買い」か?
ファミリー・ハッチバックとして、高い経済性と低いCO2排出量を望むのであれば、ゴルフ・ブルーモーションは最適な選択だろう。フォード・フォーカス・エコネティックというライバルも存在するが、フォードの質素な1.6ℓエンジンは、フォルクスワーゲンよりも優雅でなく、愉しくもない。また、実際の燃費も、ブルーテックほどは伸びないはずだ。
(ティム・ディクソン)
フォルクスワーゲン・ゴルフ・ブルーモーション
価格 | £20,335(310万円) |
最高速度 | 200km/h |
0-100km/h加速 | 10.5秒 |
燃費 | 31.3km/ℓ |
CO2排出量 | 85g/km |
乾燥重量 | 1265kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 108bhp/3200-4000rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500-3000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |