ポルシェ・タイカン EVのベンチマークを塗り替える

公開 : 2019.09.12 16:50  更新 : 2021.02.10 17:27

高い実用性と充実した装備

さらにポルシェは、タイカンに実用性が備わっていることも確約している。最新の試験モードによる航続距離は、ターボが450km、ターボSは412km。4人乗りのほか、5人乗り仕様も用意される見込みで、フロントのボンネット下に81L、リアのトランクには366Lの荷室が確保されている。2個のゴルフバッグを余裕で収容できる。

タイカンの全長はパナメーラより短いものの、後部座席の足元には十分なスペースが設けられている。その部分にはフロア下にバッテリーパックが搭載されておらず、後部座席の乗員が足を入れることができる窪みが備わっているからだ。ポルシェはこれを「フットガレージ」と呼んでいる。これによって後部座席は長距離の移動でも大人が快適に過ごすことができる。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

もう1つ、インテリアで特筆に値するのは、911並みに良好なドライビング・ポジションだろう。ドライバーの眼前には16.8インチのデジタル・インストゥルメント・パネルが搭載されており、ダッシュボード中央に10.9インチのインフォテインメント・スクリーン、その下にも8.4インチの空調コントロール用タッチスクリーンが備わる。さらにオプションとして、助手席側にも10.9インチのタッチスクリーンを装備することもできる。

その他の機能として、タイカンにはワイヤレス・ソフトウェア・アップデートが採用されており、バッテリーと充電のパフォーマンスや、インフォテインメントの機能などを、無線で向上させることができる。

タイカン・ターボの標準装備は、20インチ・アロイホイール、アダプティブ・エアサスペンション、アップル・カープレイ対応(アンドロイド・オートには非対応。ポルシェのデータによると、ほとんどのオーナーがアップル製のスマートフォンを使っているとのことだ)、ボーズ製サウンドシステム、マトリックスLEDヘッドライト、デュアルゾーン・エアコンなど。ターボSでは21インチ・ホイールとアップグレードされたブレーキ、18ウェイ電動調整シートも装備される。

世界初の800V高電圧システムを採用

タイカンはまた、800Vの高電圧システムを採用した世界初の市販車としても注目を浴びている。350kWhの超急速充電が可能であるため、わずか5分間の充電で100kmの距離が走れるようになる。発売当初は最大270kWに抑えられるようだが、それでもバッテリー残量5%から80%まで、22分30秒で充電できる。

ただし、現在これほどの性能を持つ急速充電を提供しているのは、欧州で充電施設ネットワークを展開しているイオニティだけだ。イオニティの事業には複数の自動車メーカーも出資しており、タイカンの購入者は3年間、この充電施設を無料で使用できる。英国には現在2カ所の充電ステーションがあり、今後38カ所以上の新設が計画されている。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

これほどの超急速ではなくても、タイカンは車載の400V充電器を使ってバッテリーに充電することもできる。これは最大で50kWにしか対応していないが、オプションで150kWにアップグレードすることも可能だ。英国でも最近普及が進みつつある150kWの充電施設は、現在既にBPチャージマスターが提供している。ポルシェによれば、一般家庭用の11kWの充電器を使うと、バッテリー残量5%から80%まで6〜8時間ほど要するという。

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