専用サスを採用 フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディションに試乗
公開 : 2019.09.14 09:50
最良のA・Bセグメント・ホットハッチ
フォード車全般、フォード・パフォーマンスが手を加えたクルマは特に、旋回させていくと、まるでシフトノブを中心にしたかのように向きを変える印象がある。クルマの中心を軸に、機敏に反応するのだ。条件さえ整えば、スロットルオフで鋭くタックインし、内側のリアタイヤが軽く浮き上がる。フロントタイヤだけでなく、リアタイヤも一緒にコーナリングを助けているような感覚が得られる。路面が濡れていると、その真価を味わうことができないが、その片鱗を垣間見ることはできた。
それ以外の部分は、通常のフィエスタST通りに良い。組み立ての質感も高くエンジンも洗練され、トランスミッションやペダルのタッチも正解。わたしが今まで運転した中で、最良のA・Bセグメントに属するホットハッチだ。
フォード・フィエスタSTはグレードやパッケージの装備に関係なく、われわれの大のお気に入りのホットハッチであることには変わらない。ここに価格が上乗せされてくると、価格対価値では低くなってしまうという見方もできる。
専用のボディカラーにホイールを装備しており、限定生産グレードだから、手に入れる価値は充分にある。しかし安くない上乗せ価格を見てしまうと、充分に素晴らしい標準のSTでも満足感は高いと思うし、パッケージぶんの予算で、アフターマーケット・パーツを選び、自分好みにカスタムするという遊び方もできるだろう。
だが、パフォーマンス・エディションが最高のスモール・ホットハッチの良さを奪っていないことは間違いない。むしろ、フォード・フィエスタSTが一層良くなっているのだから悩ましい。
フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディションのスペック
価格:2万6495ポンド(344万円)
全長:4040mm
全幅:1735mm
全高:1476mm
最高速度:231km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:14.3km/L
CO2排出量:136g/km
乾燥重量:1262kg
パワートレイン:直列3気筒1498ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:199ps/6000rpm
最大トルク:29.5kg-m/1450rpm
ギアボックス:6速マニュアル