【中古車選びの秘訣】完ぺきなメンテナンス履歴とは? 記録だけでは不十分 重要なのは作業内容
公開 : 2019.12.27 10:20 更新 : 2019.12.27 17:48
スタンプの効力
アウディA3の中古車販売店の次にルノーディーラーに立ち寄ったが、ここでのお目当ては走行距離5万6000kmで8295ポンド(118万円)のプライスタグを掲げた2015年登録のキャプチャー・ダイナミックS Nav TCeだった。
ここでの担当者はメンテナンス履歴の重要性について同じような見解を持っており、かつてルノーの新車に乗り換えるため、下取りに出す4年落ちのヴォクゾール・ザフィーラのメンテナンス記録を持参したある顧客の話をしてくれた。
「実際にメンテナンスを行ったことを証明するスタンプがまったく押されていませんでした」と彼は言い、「そのため、当初お約束していた下取り価格をお支払するが出来なかったのです。ザフィーラの引き取りに同意していたトレーダーにこのことを話すと、彼は買取価格を1750ポンドも引き下げて来たのです。結局、このお客様は当初合意していたよりも1000ポンド低い価格で、買取専門店にザフィーラを売却されることにされました」
彼はキャプチャーのメンテナンス履歴をわたしに見せるべく、ルノーのオンラインデータベースからこの車両の詳細情報へとアクセスしようとしていた。だが、その結果確認出来たのは、2015年8月にPDI(納車前点検)を受けた後には、何も記録が残されていないという事実だった。
正確でハッキリした情報
彼は急いでこの車両のメンテナンスブックを探し出すべく姿を消したが、結局分かったのはこのクルマに対するメンテナンスはわずか2回しか行われておらず、2018年にそれぞれ3万5000kmと4万2000kmのタイミングで独立系ガレージで行われたものだけだった。さらに、どんな作業が行われたのかを示す請求書も残されてはいなかった。
「おそらくはオイル交換だと思います」とこの担当者は言う。「いずれにせよ、キャプチャーの場合、6万4000kmごとのオイル交換で問題ありません」
だが、実際にはこのクルマのオイル交換サイクルは2万9000kmか2年ごとだ。
こうしたメンテナンス履歴の詳細をごまかすようなディーラーのやり方についてどう思うかと、英国の正規ディーラー団体であるNFDA(National Franchised Dealers Association:ナショナル・フランチャイズド・ディーラー・アソシエーション)に質問してみた。
代表のスー・ロビンソンは、「車両に関する正確でハッキリとしたメンテナンス履歴をお客様に提供するというのは、正規ディーラーにとっては基本的な責務であり、透明性と信頼性というものはわれわれにとって欠くことのできないものです」と言う。