アリエル・アトム4 試乗 目的地はシンクロトロン 英国最高の頭脳が集まる場所 中編
公開 : 2019.09.22 11:50
減速の必要性
この車両はプロトタイプであり、量産モデルには装備される予定のトラクションコントロールはないが、それでもエンジン出力を制御する切替え式のブーストコントロールが設置されていた。だが、325psをフルに発揮するポジション「3」を選んでも、サーキット向きのエイボンタイヤを履いたアトム4は、低速での落ち着きのなさからは想像できない強烈なトラクション性能を見せる。
ステアリングは非常に正確で、初期のアトムとは異なりフロントタイヤからは見事なレスポンスが返ってくる一方、ミッドレンジで発生する強力なトルクにもかかわらず、リアアクスルのグリップもより強力なものとなっている。トルクの立ち上がりは早く、例え制限速度程度のペースで走っていても、この日初めてとなるシフトアップを促す警告灯がすぐに点灯することとなった
まるでハイパワーなエンジンを積んだモーターサイクルのように、ウェットコンディションでのブレーキングには注意が必要であり、荒れた路面でのアトムは加速よりも減速の方が難しく、コーナーでは減速の必要性を直ぐに理解することができるだろう。
(後編へつづく)