エスティマやキューブなど 相次ぐ販売終了 小型/普通車の減、問題点と解決策
公開 : 2019.09.14 19:23 更新 : 2021.10.22 10:17
廃止で小型/普通車の販売ダウン 軽が増税?
フルモデルチェンジを見送ったり、生産を終える車種が増えると、当然ながらクルマの売れ行きが下がる。
それは予想以上のペースになる。なぜなら新型車の発売に伴う相乗効果も失うからだ。
例えば日産キューブがフルモデルチェンジを行うと、それを目当てに来店した客が、ノートを買うこともある。
キューブでは自宅マンションの立体駐車場に入らないことに気付き、購入を諦めかけた時、セールスマンがノートを提案することもあるからだ。
またキューブを買おうとすれば、トヨタのルーミー&タンク、スズキ・ソリオなど、ライバル車も検討する。仮にキューブが売れなくても、ルーミーが売れたりするわけだ。
新型車が登場すると、いろいろな相乗効果が得られる。よって新型車が減ると予想以上のマイナスになってしまう。
そして今は、唯一の日本向けカテゴリーの軽自動車が好調に売れている。小型/普通車が国内市場に冷淡なこともあり、商品力を高めた軽自動車が販売を急増させた。
その結果、国内で売られる新車の40%近くが軽自動車になり、販売ランキングの上位も独占されている。
直近の2019年8月は、1位がN-BOXで以下はタント、デイズ&デイズルークス、スペーシア、ムーヴ&ムーヴキャンバスと5位まで軽自動車が続き、6位になって小型車のシエンタが入った。
今の状態が続くと、ますます軽自動車が中心の売れ方になる。そうなれば軽自動車が増税され、毎日の買い物や通院に使う高齢者の生活を圧迫することになりかねない。
海外向けの車種導入など、新型車望む
今後行うべきことは、国内における小型/普通車のニューモデルを増やすことだ。
国内向けに開発するのが理想だが、それが無理なら、海外で売られる魅力的な車種を導入すれば良い。
例えば日産なら欧州で売られるコンパクトカーのマイクラ、コンパクトSUVのインフィニティQX30などが考えられる。業務提携を結ぶルノーのトゥインゴやカングーを日産ブランドで販売する方法もあるだろう。
トヨタではヴィッツ(海外名はヤリス)やパッソよりも小さなアイゴが魅力的だ。クーペではミドルサイズのシビック・クーペが注目される。
三菱は前述のようにパジェロが生産を終えたが、海外にはオフロードSUVのパジェロ・スポーツもある。
それから海外でフルモデルチェンジされているジュークやレガシィは、日本国内仕様も至急刷新させたい。
両車種ともに国内では従来型を継続販売するようだが、設計の古いクルマは新型車に比べて安全装備も劣る。
日本のメーカーが、海外よりも安全性の低いクルマを国内で売ってはいけない。