輸入車販売 2か月連続プラス/8月として過去最高 これって、税率アップ前の駆け込み?

公開 : 2019.09.16 18:50

消費税アップ前の新車販売検証、第2弾はインポートカーです。8月は単月で過去最高を記録。BMWは、ランキング2位にアップ。果たして、駆け込み需要だったのでしょうか?

8月の外国メーカー車 販売台数クイズ

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

 

Q:2か月連続で前年実績超え、しかも単月で過去最高を記録した8月の外国メーカー車の新規登録台数。これって、消費税率アップ前の駆け込み需要?

首位メルセデスが前年割れするなか、BMWが前年比11%増
首位メルセデスが前年割れするなか、BMWが前年比11%増

A:駆け込み需要の可能性は低い。

JAIA関係者や輸入元のセールス担当部門は、「8月の輸入車販売がプラスを達成したのは、新型車や特別仕様車の好調なセールスが要因」「前年同月比で35%以上のプラスを記録した2014年の消費税率アップ2か月前の駆け込み需要と比べると、今回はまったく勢いがない」「目立った新型車の発売がなかったブランドはマイナス。

既存モデルの販売だけでは凌ぎ切れていない」と市場状況を解説する。また、高級車ブランドに至っては「消費税率アップを気にしているユーザーは少ない」との声もあった。

8月 BMWや中堅ブランドが健闘

日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた2019年8月期の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比0.6%増の2万1489台と2か月連続でのプラス、しかも単月で過去最高を記録する。一方、日本メーカー車含では同1.5%減の2万4922台と、6か月連続でのマイナスとなった。

8月の輸入車市場の動向に関してJAIA関係者は、「8月の外国メーカー車の新車販売は、ドイツ4強のうち3ブランドがマイナスに落ち込んだものの、BMWの2ケタ増や中堅ブランドの健闘などもあって、前年同月比0.6%増の2万1489台と2か月連続での前年超え、しかも単月ベースで過去最高を達成した」と説明。

ランドローバーの8月の新車販売は前年同月比52.6%増
ランドローバーの8月の新車販売は前年同月比52.6%増

「一方、日本メーカー車は新型車効果が薄れたこともあって同12.4%減の3433台と6か月連続でのマイナスとなり、輸入車全体では同1.5%減の2万4922台と6か月連続で前年実績を下回った。クルマとしてはSUVやディーゼル、ハイブリッドの新型車が好調。特別仕様車や限定車も高い人気を集めている」

価格帯別の動き

「価格帯別では、1000万円以上が同62.5%の大幅増を記録。また、400万円以上1000万円未満のクラスも同5.7%増の好成績をキープする。400万円未満は同6.4%減とマイナスに落ち込んだ。登録車全体に占める外国メーカー車のシェアは8.9%と、高レベルを維持している」

「消費税増税前の駆け込み需要については、前年同月比で35%以上のプラスを記録した2014年の消費税率アップ2か月前と比べると、まったく勢いがないというのが実状。販売の現場からも、消費税率アップが受注に影響を及ぼしているとは言い難いという意見が多い」と指摘する。

400万円以下で買えるフィアット500Xクロス。価格は334万円(税8%)
400万円以下で買えるフィアット500Xクロス。価格は334万円(税8%)

今後の展開については、「輸入車全体の受注状況は、新型車を中心に堅調に推移している。また、秋に向けて販売台数を伸ばしそうな新型車や特別仕様車が各ブランドから鋭意発表される予定なので、これらがどれくらい受注を増やすかが今後の注目ポイントになるだろう。また、駆け込み需要が直前の9月になって勢いを増すのか、また消費税率アップ後に反動減は出てくるのか、注視していきたいところだ」

「とりあえず、各ブランドとも税率アップ後の対応策をいろいろと考えているようだ。一方、米中の貿易摩擦や世界的な景況感の悪化などによって市場の消費マインドがどうなるかは懸念材料」と分析した。

おすすめ記事

 

人気記事