阿蘇/軽井沢ドライブ 注意すべき「火山灰」、クルマに悪影響も 防ぐ方法/正しいケア
公開 : 2019.09.15 11:09 更新 : 2019.10.16 09:41
火山灰がクルマの塗装面に及ぼす影響
活動が活発な火山で憂慮されるのが「火山灰」だ。
とくに、クルマで火口の近くまで行ける阿蘇山は風向きによってはわずか短時間でも火山灰が積もる。
筆者もこの夏、阿蘇山を訪れたが写真を撮るため15〜20分程度駐車場に停めている間、ボディ全体にうっすらとではあるが火山灰が積もっていて驚いた。
近くの工事現場ではホースで水をかけて火山灰を洗い流しているクルマもあったがホースの水圧ではなかなかスムーズに流れてくれないようで塗装面にはりついているようだった。
火山灰はどんな方法で洗い流すのが良いのだろうか?
クルマのお手入れ専門店「社団法人日本コーティング協会所属エコスタイル熊本」に聞いてみた。
「乾いた状態なら叩き落とすのが一番です」
「そのまま拭き取ろうとするのは絶対にダメで深い傷になる場合があります」
「火山灰にはガラスよりも硬い成分も含まれているのでガラス面、塗装面、そしてコーティングにもダメージを負わせることになります」
「また、水と合わさるとガラスコーティングやガラスそのものを持つアルカリ性に変化する場合があります」
「一番怖いのは火山灰が積もった状態で通り雨に合い、その後晴天となって水分が乾いてしまった……という状態です」
「塗装上面やメッキ部分に火山灰が残った状態で雨と混ざり合って水玉になるとレンズ作用で短時間でも頑固なウォータースポットができてしまいます」
「通り雨だけではなく、朝露+火山灰でも同様。また、エンジンルームに入りこんだ火山灰は、整備工場などプロがいる工場で、エアを吹いて飛ばしてもらうのが良いでしょう」
「今のクルマは精密部品が多いのでユーザーが開けると危険な箇所も多くあります」
旅館など、サービスのつもりがトラブルに
阿蘇や熊本など、火山灰に慣れているはずの旅館やホテルでもケアの方法を詳しく知らず、お客さんのクルマにダメージを与えてしまうことがあるそうだ。
火山灰が積もったフロントガラスをそのまま雑巾で拭いてガラスにキズが付いてしまった例などは珍しくない。
また、サービスのつもりでボディに水を掛けて洗い流そうとしてくれたのだろうが、水は軽く掛けただけでふき取り無しだったため、走っているうちに塗装面に残った火山灰とボディの水滴が混ざった状態で乾燥……。
これが原因で深刻な輪ジミ(ウォータースポット)ができてしまった例もある。
「水は水道水でも井戸水でも水を軽く掛けただけでふき取りをしないと輪ジミができる可能性大です」
「少量の水と火山灰が混じったまま水分が蒸発すると火山灰濃度が高い状態でのシミができてしまいます」
「ベストな方法は、コイン洗車場などの高圧水で時間をかけてしっかり洗い流したあと、マイクロファイバータオルで軽く押さえるようにしてふき取ることですね」(エコスタイル熊本)
ちなみに、火山灰+水でできたウォータースポットは除去するのにかなりコストがかかるとのこと。旅館のひとも善意でやってくれたことだろうから、何とも後味が悪い。
「そのようなトラブルに遭遇しないためには、あらかじめフロントに『火山灰は水で流さなくてよいですよ』など、伝えておくのが良さそうだ。