8月の日本車、新車販売がプラス 消費税アップ前の駆け込み需要?
公開 : 2019.09.16 07:50
8月の市場動向を分析
8月の市場動向に関して業界団体の関係者は、「8月期は新型車や特別仕様車を積極的に発売したブランドが販売台数を大きく伸ばした。登録車は新型車、とくに普通車の販売が好調で、2か月連続でのプラスを達成。軽自動車は、同市場で高いシェアを占めるスズキが大規模リコールの影響でマイナスに落ち込んだものの、その他の主要ブランドがすべてプラスを達成し、3か月ぶりの前年実績超えを記録した」
「消費税アップ前の駆け込み需要に関しては、登録車の多くのブランドがマイナスを記録したことからも分かるように、大きなうねりにはなっていない。政府の増税対策による平準化の効果はあるかもしれないが、それよりも市場のクルマの購買意欲が弱い傾向にある」と解説する。
今後の見通しについては、「受注状況としては新型車を中心に底堅く、また9月以降も新型車や特別仕様車が数多くリリースされる見込みなので、これらがどれくらい販売台数を伸ばすかが今後の成績の鍵を握りそう」
「消費税増税前の駆け込み需要が寸前の9月になって本格化するのかも気になるところだが、販売の現場からは“駆け込み需要は大きく起きそうにもない”という声も聞かれる。駆け込み需要が小さい分、反動減は少なくて済みそうだが、消費全体の冷え込みがどれくらいの規模になるのかは注視する必要があるだろう。悪い数字が出始めた昨今の景況感、出口が見えない米中貿易問題やブレグジット問題なども不安要因」と示唆した。
ホンダNボックス 24か月連続トップ
8月の乗用車の車名別ランキングは、久しくなかったトップ争いが展開された。
首位に立ったのは一昨年9月に全面改良を行ったホンダNボックスで、前年同月比17.9%増の1万8282台を記録して24か月連続でのトップにつく。
これを猛追したのが7月にフル・モデルチェンジを行ったダイハツ・タントで、同73.3%増の1万6838台を成し遂げて1ランクアップの第2位に入った。その差は1444台。
ここ最近はホンダNボックスが第2位と1万台あまりの大差をつけて盤石の首位固めをしていただけに、ダイハツ・タントの健闘ぶりは久々の快挙だ。ちなみに、ダイハツ・タントは発売1か月で月販目標の約3倍となる約3万7000台の受注を記録しているので、今後も首位争いから目が離せないところである。
トップ2に続いて第3位に入ったのは3月に新型に切り替わった日産デイズで、同34.4%増の1万3432台を記録したものの、ダイハツ・タントに押し出されて1ランクダウンとなる。この結果、12か月連続でトップ3を軽自動車が占有した。
さらに、第4位には同2.7%減の1万674台でスズキ・スペーシア、第5位には同10.5%増の8802台でダイハツ・ムーヴと、軽自動車が続く。