BTCCチームの裏側 ホンダ・シビックとロータス・エラン、最速芝刈り機
公開 : 2019.09.16 16:30
将来を見据えた幅広い取り組み
その後、チームはロータス・コルティナを手に入れた。「他のクルマと同じように、クルマをバラし、分析し、より良く作り直しました。クルマはプロジェクトの苦労と愛が混ざったものです」 とロジャースは話す。チームはボディシェルから作り直され、新しいエランは、グッドウッド・リバイバルのようなイベントのために組み立て直された。古いパーツはデジタル・スキャンを行い、新しい部品を作るためにCADデータ化する。
「ロータス・エランは悪夢のようでした。よくあることですが、屋根はきちんと組付けできませんでした。雨漏りする状態を、雨天の回数を数えて割り切るか、時間を掛けて治すか、どちらかを選ぶかのようなものです」 と振り返るロジャース。
ほかにも、チーム・ダイナミクス・モータースポーツ社はFKシビック・タイプR用のパフォーマンス・パーツや、ドライバーのトレーニング・シュミレーターの開発も行っている。カンファレンスセンターもワークショップ内に開設した。またスポーツカー・ベースのレーシングカーや、高性能バンの開発にも取り組んでいるという。
ニールは、浮き沈みの激しいモータースポーツ界で、チーム・ダイナミクス・モータースポーツ社が「一芸だけ」とならないことを目標としている。「デヴィッド・リチャードがプロドライブを拡大させたこと、さらにマクラーレンが拡大したことを見てきました」 と将来を見据えるニール。
プロドライブもマクラーレンも、芝刈り機で最速の記録を更新したことはまだない。ニールは既にミーン・マウアV3の計画も立てているそうだ。マット・ニールの高身長でも乗れるマシンとなるのだろうか。
マット・ニールが自負するマシン
ホンダ・シビック・タイプR
「現行のBTCCカーとして完成された中身を持っています。素晴らしいエンジニアリングです。グリップ力はF3マシンにも似たものがあります」
日産プリメーラGT
「スーパー・ツーリングカーは特別な仕事でした。特に初代の日産のマシンは、素晴らしいマシンでした」
BMW M3(E30)
「初期の頃のスーパー・ツーリングカー用M3も凄いマシンでした。操縦性は素晴らしかったですが、サスペンションはほとんど動かず、タイヤとスプリングが付いていただけのようでした」
ミーン・マウアV2
「ホンダUKのために、ミーン・マウアV2を制作しました。ノルウェーのチームがわれわれの記録を塗り替え、その更新をホンダが希望したのです。そこでダントツに速いV2を作りました」
ロータス・コルティナ
「チームのニール・ブラウンが開発するエンジンのパワーは驚くほどです。ジム・クラークがロータス・コルティナをチューニングした時は131ps程度でしたが、われわれのマシンは190psを超えています」