ロードテスト フォード・フォーカスST ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.09.21 11:50 更新 : 2019.09.26 00:08
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
洗練度も円熟味も、ゴルフGTIの域には達していないかもしれない。それでもフォーカスSTは、エキサイティングなハンドリングと日常使いでの目覚ましい実用性とのバランスで賞賛に値する。たとえ、ハンドリング方面にちょっとばかり問題があるとしてもだ。
乗り心地が硬めなのは想定内だが、自信を持ってアンジュレーションをスイスイ駆け抜けられるようなしなやかさが欠けていることや、傷んだアスファルトでは過剰にソワソワ動いてしまうのはいただけない。
市街地を走っていて、路面の扱いに洗練性が足りないのは明らかだ。とはいうものの、メガーヌR.S.トロフィーに比べれば、はるかに快適なのだが。
遮音性については、秀でているというほどではないが、なかなかいい。高速道路の速度域では、もっとも平穏さを乱すのはタイヤノイズで、エンジン音の侵入はそれほど大きくない。113km/hでは70dBで、これは2014年に計測したゴルフRの67dBよりは大きい。
レカロのスポーツシートが備えるサポートとアジャスト性はファンタスティック。ドライビングポジションは十分に適切だ。体格次第では、ペダルを踏むとやや脚が曲げ気味になるかもしれないが、キャビンのエルゴノミクスは上々だ。