マツダCX-30 実車を撮影 四角くないSUV、でも大人4人が寛げる その作り込みとは

公開 : 2019.09.20 11:25  更新 : 2021.10.11 09:25

マツダCX-30が日本発表。一見、クーペSUVのように見えますが、ルーフは後ろ上がり。そのおかげで大人4人が寛げます。どんな開発をしたのでしょう。

CX-30は、SUVクーペではない

photo: Kazuhide Ueno(上野和秀)

マツダは、新型クロスオーバーSUVの「マツダCX-30」を日本発表した。全長4395mmという取り回しがしやすいサイズの新型車だ。

スタイリッシュなSUVのジレンマといえば、デザイン性と室内空間の確保という相反する2つの要素。それをどう料理するかが開発陣の腕の見せ所なわけだ。

最低地上高はCX-3の160mmに対して、CX-30は175mmに拡大
最低地上高はCX-3の160mmに対して、CX-30は175mmに拡大

サイドから見たCX-30は、ルーフラインが後ろ上がり。近ごろ人気のSUVクーペというカテゴリーは後ろ下がりのプロポーションだから、CX-30はこれには属さない。

ルーフ後方を高くしたのは、後席乗員の居住性を確保するため。同社のコンパクトSUV「CX-3」と比較して、リアシートの空間を上下方向で約40mmも広くしている。

Dピラーの角度

後ろ上がりのルーフライン、天井の内装素材の切り詰め、後席のフロア高さ/乗員のヒップポイントを20mmさげることで生み出された空間。「前席に183cmの方が座っても、後席に184cmの人が座れる」と開発者は胸を張る。

そうしたパッケージでありながら、流麗なスタリングに見せているのが、寝かせたDピラーの存在。そして、タイヤまわりを囲う黒い樹脂パーツの効果だ。

CX-30のリアシート。頭上空間はCX-3よりたしかに余裕がある
CX-30のリアシート。頭上空間はCX-3よりたしかに余裕がある

SUVなのに、四角い箱の形をしておらず、ボディがスリムに見える。居住性と美しさの両立。ジレンマは“強み”に変えることができるのだ。

内装にネイビーブルー

インテリアのトピックは、ネイビーブルーの内装色にチャレンジしたこと。バッグやシューズ、お財布で目にしたことがある。

デザイナーに話を伺うと、ネイビーブルーを明るくしすぎると白く飛んでしまい、暗くしすぎると沈んでしまうのだとか。フロントガラスへの映りこみ、耐久性、質感を検証し、ステッチの色合いを吟味したうえで辿りついたコーディネートだという。

インテリアの新しいチャレンジ。ネイビーブルーの内装色
インテリアの新しいチャレンジ。ネイビーブルーの内装色

撮影した車両は、赤が上級グレードのディーゼル車「XD Lパッケージ」。灰色がミドルグレードのガソリン車「20Sプロアクティブ・ツーリング・セレクション」。後者の内装色がネイビーブルーである。

われわれがイメージするSUVとは、外観も内装もひと味違う。マツダが編み出したSUVの新コンセプトはどう評価されるだろう。CX-30の発売日は10月24日だ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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