ラリーニッポン 2013 in Y154
2013.5.25-26
クラシックラリーイベントとして名を馳せるラリーニッポンが、今年は横浜市が主導する「Y154」とコラボレーションし、横浜ベイエリアを中心に東京都と神奈川県にまたがり1泊2日の日程で開催された。
日本の世界遺産や文化遺産を巡る旅として観光庁からも支援を受けているこのイベントは、設定されたルートを走行することによって各地の名所や文化的見地で重要な建物などを見ることができるのが売りだ。もちろん競技的としてのラリーの側面もしっかり管理されており万全だ。その人気は非常に高く、各界の有名人も参加するほどの活況を見せている。
1日目は靖国神社をスタート地点とし、計84台のクラシックカー、スーパーカーが敷地に並べられた。1920年代の3台のブガッティやベントレーから、1930年代のアルファ・ロメオ6C 2300B、タルボ90Sやフィアット508から、最新のマクラーレンMP4-12Cまでの様々なスポーツカーだ。フィアット・アバルト750やディーノ246GT、アルファ・ロメオ・ジュリエッタなどのイタリア車、MG B、ジャガーXK、アストン・マーティンDB4らイギリス車が特に多く、10台ものポルシェ356やメルセデス280SLなどドイツ車も存在感があった。参加者、ギャラリーともども自動車の進化を肌で感じられる機会であっただろう。
ラリーは靖国神社をスタートし、皇居エリアから銀座を経て、勝鬨橋を通って晴海、有明、台場などの臨海部を巡るルートだ。当初は渋滞が懸念されたが、幸い完全に動かないほどの渋滞は発生せず、多くの参加者はゲートブリッジをはじめとする海沿いの気持ちの良いルートを、自分のペースで走ることができた。気温や日差しも、一日を通してオープンカーには最適な気候に恵まれたのも幸いだった。午後は目黒通り、第3京浜、横羽線を抜け、鶴見の總持寺へ移動。緑豊かな境内で休憩を取った後、山内埠頭と山下埠頭での3連続PC競技をこなしてゴールした。
1日目の競技終了後、夜には山下公園沿いのホテル・ニューグランドにてパーティーが行われ、参加者は美味しいコース料理に舌鼓を打ちながら親睦を深めた。1日中運転した疲れも吹き飛んだことだろう。
2日目も朝から天候に恵まれた。まずは海水浴場で有名な長者ヶ崎を目指す。日本らしい磯の景色はラリーイベントのテーマにもぴったりだ。この地でのPC競技後は、三浦半島の海、山を両方満喫できるルートが組まれ、湘南国際村や佐島なぎさの丘を通り、別荘地としても人気のあるシーボニアで休憩と昼食を兼ねたレストコントロールが設けられた。空が晴れ渡り海は青く、リゾート気分を満喫するにはおあつらえ向きだった。参加車は三浦市から浦賀、横須賀エリアを海岸線沿いに巡り、高速道路を通ってスタート地の山下埠頭へ戻り、ギャラリーの盛大な拍手のもとゴールを迎えた。
競技終了後は客船「マリーンルージュ」の船上にて軽食が振舞われ、表彰式が開催された。2日間のPC競技の結果を総合し、最も優秀な成績を収め勝利を飾ったのは鈴木/松村組のアルファ・ロメオ6C 2300B。2位には安藤/安藤組のトライアンフTR3、3位には久富/久富組のジャガーXK140が続いた。その他上位7組までが表彰され、ティファニー製プレートをはじめとした豪華な副賞に顔をほころばせていた。
大盛況のうちに終了したラリーニッポンだが、主催者は、来年の横浜地区での開催も公言しており、期待大だ。なお、次回のラリーニッポンは11月末に初となる台湾での開催を予定している。