フォルクスワーゲンのEV ID.Rの挑戦 中国天文山でのレコードアタック秘話 後編

公開 : 2019.10.06 20:50

今後もさらなる挑戦を続ける

その速さは、7分38秒535という記録を公認した(計測に用いられたのはQX1000だ)中国体育協会から派遣された2人の公証人が証明してくれている。「これほど速く走れるとは、自分でも想像していませんでした」とデュマは振り返る。

チームが最終的に成し遂げたことであり、本来の目的は有名になることだ。デュマは天文山の999段の階段の下にID.Rを止め、地元のジャーナリストや観光客の前でシャンパンを撒きながらその偉業達成を祝った。IDシリーズの活躍はここから始まるのだ。

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今回の収穫はそれだけではない。チームにとってもID.Rのポテンシャルをさらに深く知ることができたとスミーツはいう。「非常に印象的な道路であり、このプロトタイプで攻略するのはとても難しい挑戦でした。このクルマをより深く知ることができたとともに、今後に向けて改善すべき点も見つかりました」

およそ4か月間に3つの大きなプロジェクトを終え、次の目標はまだ決まっていないという。しかしスミーツは「たくさんのアイディア」を持っているという。今回の中国での偉業を見る限りでは、彼らは既存の挑戦に頼るつもりはないのだろう。「今回の挑戦で、われわれができることの幅が広がりました」とスミーツは語る。

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