ロードテスト アウディS4 ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.09.28 11:50
欧州ではディーゼルモデルが販売されることとなった改良版S4。SブランドのDセグメントセダンは、ドライバーズカーとしては同郷のライバルに後れを取るが、ディーゼル導入で新たなニーズを開拓するでしょう。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★★★☆☆
ー走り ★★★★★★★★☆☆
ー使い勝手
ー操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
ー購入と維持
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★☆☆
はじめに
英国のスポーツセダン信者が、ディーゼルの速いセダンにどれだけ食いつくのか、正確に予測するのは難しい。早々にラインナップから外したり、開発をキャンセルしたりするほど、ニーズは小さいと読んでいるメーカーもあるくらいだ。とはいえ、すべてがそうだというわけではない。
そしておそらく、ディーゼルエンジンの評判を地に落とした2015年のスキャンダルに手を染めたアウディは、このテクノロジーの汚名を雪ぐために、力を注ぐべきメーカーであるといっていいだろう。
このインゴルシュタットの会社が2019年初めに宣言したのは、欧州市場でこれから販売していくほぼすべてのSモデルには、ディーゼル版を用意するということ。低燃費と、それによる航続距離の長さだけでなく、トルクの大きさと引き出しやすい速さも見込んでのことだ。
もちろん、SQこと高性能SUVなどには、すでに軽油エンジン搭載車が用意されている。だが、それより長い歴史を持ち、ずっと幅広い支持を集めてきた、クワトロ4WDを備えるスポーツセダンとしては大きな新展開だ。そのうちの1つを、今回はテストする。
この大幅なフェイスリフトを受けた6代目S4において、ディーゼルユニットを搭載して変わることは、車名にTDIの3文字が加わる以外になにがあるのだろうか。まずはなんといっても、マッドなスーパーセダンというべきメルセデスAMG C63に匹敵するそのビッグトルクだ。それでいて、燃費はWLTPモードで14km/Lを超える。しかも、駆動輪の数はライバルのAMGの倍で、それでいて価格は3分の2に収まるのだ。はたして、先進のディーゼルパワーを得たS4は、その名にふさわしい仕上がりとなっているのだろうか。