ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ サンターガタへの帰還 後編
公開 : 2019.11.10 08:50
サンターガタ工場に到着した後は、ランボルギーニの現在をつぶさに観察しました。SUVのウルスが登場したことでますます活気づくランボルギーニですが、その真骨頂はやはりスーパーカーにあるのであり、魅力的なパワートレインがその魅力のカギとなるようです。
サンターガタ工場 溢れる色彩
サンターガタ工場の内部はまるでアンディ・ウォーホルの頭のなかのようだ。
ウルス登場以来3つに増えたモデルに対応しているメインの生産ラインとトリム工場、そして完成車両が48kmのシェイクダウンを待つソーラーパネルの屋根を持つモータープールでは、さまざまな色が溢れかえっている。
マットかグロスの光沢に身を包んだローズやライム、フクシアと呼ばれる鮮やかな赤紫、ターコイズ、燃えるようなオレンジ、ブロンズといったさまざまな色であり、この場所がこれほど華やかで鮮やかだったことはない。
つまり、中国や日本の新たな顧客たちは決して目立たないカラーは選ばないということであり、何か問題でもあるだろうか?
さらに、この工場がこれほど活気づいたこともかつてなかった。今年のランボルギーニの生産台数は8000台と見込まれており、その半数以上をウルスが占めることになるだろう。塗装工場が設置され、新しくモダンなアッセンブリーラインが、昔ながらのスクラドラコルセのモータースポーツ専用ワークショップの反対側に設置されている。
対照的なふたつのライン
ここはハンドメイドのスーパーカー工場としては非常に自動化が進んでおり、ウルスが積むポルシェ由来の巨大なV8ツインターボエンジンが作業ステーション間を滑らかに移動し(タクトタイムはアヴェンタドールの75分に対し35分に短縮されている)、ボディとシャシーへと組付けを行うタイミングで、ステーションごと油圧で自動昇降している。
生産は毎日12時間連続で行われているが、こうした数字よりもこの工場内の静かで集中した雰囲気が、ランボルギーニがまだ需要に応えることができていないという事実を物語っているだろう。
さらにこの工場の特徴はスタッフの年齢構成にもあり、ウルスの組み立てを担当している多くがまだ若者だ。ランボルギーニでは地域の大学からインターンを募っており、そのほとんどが地元では大いなる名誉でもあるフルタイムの正規雇用にそのまま迎え入れられることになる。
こうした若者たちが、いつの日かミウラを生み出した伝統ある生産ラインで働きたいと思うのも当然だろう。メインの工場建屋に隣接した200mの細長いラインでは、毎日13台のウラカンと4台から5台のアヴェンタドールが生産されており、時おりウラカンGT3やレーサーのスパートロフェオといったモデルの姿を目にすることもある。
ウルスの生産ラインと同じくここも自然光に溢れているが、天井は低く、生産ペースは遅く、雰囲気はより牧歌的だ。それでも、ここは考え得るなかでもっとも大胆なモデルを、考え付くなかでもっとも要求レベルの高いひとびと向けに創り出している。