ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ サンターガタへの帰還 後編
公開 : 2019.11.10 08:50
2025年にはハイブリッドへ
アウディとの共同開発であるウラカンのV10エンジンは、ハンガリーのジェールからイタリアへとやって来るが、アヴェンタドールが積む重量430kgの6.5L V12はここサンターガタ製となる。巨大なエンジンブロックがスタンド上で研磨され、タトゥーをした従業員のグローブをはめた手には光沢を放つこん棒のようなピストンが握られている。
アヴェンタドールSVJのエンジンベイに668psを発揮するV12を納めることを想像してみて欲しい。このクルマのカーボンファイバー製ボディは、エンジンが組み込まれる前には、20分の距離にあるインペリアーレという名の企業によって塗装が行われている。
いまこのラインで生産されているアヴェンタドールのほとんどがSVJだが、最近公開されたシアンFKP37が示唆するとおり、ランボルギーニの次代のフラッグシップモデルはV12ハイブリッドパワートレインを搭載することになるだろう。820psを発揮するシアンFKP37では、低圧モーターがトランスミッション内部に組み込まれていた。
では、このラインで電動スーパーカーを創り出すにはどれほどの改修が必要になるのだろう? この問題は2025年までにすべてのランボルギーニが何らかの形でハイブリッド化されるということとも関連している。
あまり楽観的になってもいけないが、ここは依然として特別な場所であり、すべてがルールどおりに行われているという訳ではない。
マリオ・ファザネット
そしてわれわれはマリオ・ファザネットに会った。バレンティーノ・バルボーニのあとを受け、ランボルギーニのチーフテストドライバーを務める彼とは、昼食のあと社員食堂を出たところで偶然に出会うことができたが、これは非常な幸運だった。
ファザネットのような人物が食堂を歩き回っているということは、ランボルギーニのカルチャーが依然として健在であるということを証明するだけでなく、ランボルギーニの継続性をも象徴しているのであり、かつてフェラーリF1チームを率いていたCEOのステファノ・ドメニカリ同様、彼もまたランボルギーニがどうあるべきかを深く理解している。
ファザネットがランボルギーニに入社した1985年はカウンタック・クワトロバルボーレと3.5Lエンジンを積んだジャルパが現役の時代だった時代であり、彼がエンジン組み立て部門で働き始めた時のランボルギーニ社員の数はちょうど250人だったとファザネットは言う。
その後、試験部門とアフターセールスを経験しているが、すべてが夢の仕事へと続く道のりだったのであり、バルボーニとともに行った新型モデルの「正しくクレージー」な公道テストの様子をファザネットは思い返す。