F1人気、回復への課題 AUTOCAR英スタッフの意見 タイヤの耐久性が鍵
公開 : 2019.09.28 18:50
アンドリュー・フランケルの意見 AUTOCARシニア編集者
F1は誰のためにあるのだろうか。チームでもドライバーでもサーキットのオーナーでも、利権者にためでもない。チケットを買って見にくるファンのためにあるのだ。F1がそれを無視すれば、その結果は明白だ。
コストを削減するとともにダウンフォースを減らし、メカニカルグリップを高めれば、マシンは運転が難しくなり、ミスも増えるだろう。ハイブリッドやターボをやめ、もしそれで撤退するメーカーがあれば、それでも良いではないか。もう一度ドライバー志向のスポーツにしようではないか。ヒーローはマシンではなくドライバーなのだ。
この考えは以前から何も変わらないどころか、多くの人が求めてきたことだ。F1はこれを耳にしているにも関わらず、取り入れて来なかったのだ。F1が技術の展示会であるべきと考える人などいないはずである。われわれはピットではなくコース上で繰り広げられるレースを求めているのである。
F1はその将来を決める時期に差し掛かっている。何年もかけて考えている場合ではないのだ。進むべき道は既に見えており、究極的に言えば必要なのはそれを選択する意思だけなのである。
ジム・ホルダーの意見 AUTOCAR論説員
F1はそのマシンを速くすることよりも、走らせるのを難しくすることに注力すべきだ。もちろん、両者が伴えばなお良いのだが。
これはただ単にタイヤを硬くし、パワーユニットを扱いにくくすれば良いだけだ。結果として、雨が降らずともウェットのようなレースが展開されるだろう。ヒーロードライバーはグリップの限界に苦戦し、スリップやパワースライドを繰り返すだろう。
そして本当に雨が降ったらどうだろうか。素晴らしいタイヤは存在するが、依然としてパワーは過剰だ。その勝負は常に右足にかかっているべきなのだ。過剰なグリップをもたらす技術や、巨大なウイングによって勝敗が左右されてはならないのである。
とは言えこれはレースであり、運動会のかけっこではない。各メーカーは見た目やサウンドで訴えかけることにより、さらに多くのファンを獲得することを目指すべきだ。その観点では、燃料供給の制限など、意味のわからないレギュレーションは不要である。