新型VWゴルフ8代目 発表直前情報 前編 48Vマイルドハイブリッド採用へ
公開 : 2019.10.03 11:04 更新 : 2019.10.03 11:04
今月中に発表が予定されているフォルクスワーゲンの8代目ゴルフは、これまで同クラスでは見ることができなかった数々の先進テクノロジーが導入されるといいます。同社技術部門トップにAUTOCARが聞いた話をまとめてみました。
量産前生産車が世界各地でテスト中
今月発表が予定されているフォルクスワーゲンの新型ゴルフは、48Vマイルドハイブリッドやクラス初となるテクノロジーが採用され、大幅な進化を遂げる見込みだ。
ゴルフが属するCセグメント・ハッチバックの市場は、自動車業界アナリストのJATOによると、2019年上半期の販売は世界で16%も減少したという。この縮小しつつあるセグメントにおいて、フォルクスワーゲンは8代目となる新型ゴルフで足場を固めようとしている。
クラス初となるテクノロジーが投入されるのみならず、CO2排出量もクラス最小に抑えられる見込みだ。これはユーザーが負担する経費や、ブランドの社会的責任からも重要なことである。
VWの技術部門を率いるフランク・ウェルシュは、8代目ゴルフの開発が既に終了しており、現在は品質試験を行っている段階にあると、AUTOCARに語った。
ウェルシュは次のように述べている。
「量産開始前の生産車両は完成しており、現在はすべての部品が完璧に組み付けられていることを確実にする段階にあります。プロトタイプの完成度は申し分ないものでしたが、実際に量産が始まっても問題ないことを確認しなければなりません。われわれはドイツ、アメリカ、スペイン、中国など、世界中のあらゆる場所でテストしています」
48Vマイルドハイブリッドを採用
ゴルフ8のエンジンについては議論が重ねられてきた。ハイブリッド技術が使われることになっていたが、その決定はマティアス・ミュラーがCEOを退任し、ヘルベルト・ディースが後任となってから覆ったとみられている。
結局、ウェルシュによれば、販売台数の多い1.0L直列3気筒および1.5L直列4気筒ガソリン・エンジンについては、デュアルクラッチ式トランスミッションと48V電装システムのみが採用されることに決まったという。
1.0Lエンジンは最高出力130ps、1.5Lエンジンは150psを発生する。これらのエンジンにマニュアル・ギアボックスも設定されるかどうかは、現時点では不明だ。
ウェルシュは次のように語った。「48Vシステムは主力のガソリン・エンジンだけで、ディーゼルには採用しません。ディーゼルは元来CO2排出量が少なく、それにエンジン自体が高価です。バランスを考えて、ガソリン・エンジンのみに採用することにしました」
「48VマイルドハイブリッドはCO2排出量を減らせるだけでなく、運転が快適になるという利点もあります。エンジンの停止/再始動がスムーズになりますし、マイルドハイブリッドのスターター/ジェネレーターがエンジンを後押しすることで全体のパワーも上がります。クルマが滑走状態で進んでいる時にもエンジンを停止することが可能です。アクセルペダルを踏めば直ちにエンジンは再始動しますが、ドライバーはそれに気付くことがないでしょう。非常に快適です」
2種類の量販ガソリン・エンジンに加え、2.0Lディーゼル・エンジンの改良版も用意される。EA288エボというコードネームで呼ばれるこのTDIエンジンは、排ガスに含まれる汚染物質を減らすために大掛かりな再開発が行われた。燃費も改善され、ターボチャージャーのレスポンスも向上。さらにエンジン自体も軽量化された。VWによれば、パワーとトルクが平均9%向上し、同時にCO2排出量は平均10g/km減少したという。
ウェルシュは新型ゴルフが「CO2排出量の点で再びクラスをリードする」と述べている。 最も低燃費な仕様は、WLTPの試験で3桁に届く(つまり35.4km/L以上)見込みだという。
「現在は認証を取得している段階ですが、すでに2つか3つのエンジンはこれを済ましています。エンジンと空力を最適化したことで、ゴルフ8のCO2排出量は大幅に改善されています」