ホンダCR-V 1.6 i-DTEC
公開 : 2013.07.10 18:47 更新 : 2017.05.29 19:10
■どんなクルマ?
ガソリン・パワーのマーケット・リーダーがリリースしたディーゼル・モデルである。ホンダがヨーロッパと英国の小型SUV市場でより大きなセールスを望むのであれば、ディーゼル・モデルは必須だ。
このCR-Vに搭載される1.6ℓのi-DTECは、118bhpのパワーと30.6kg-mのパワーを持つ。CO2排出量は119g/kmで、燃費は22.2km/ℓをマークする。ホンダは、その生産量についてはそれほど多くないということで、特にライバルとのベンチマークを行わなかったという。ちなみに、マツダCX-5に搭載される2.2ℓターボ・ディーゼルは、149bhp、38.7kg-mで、CO2排出量は119g/kmという数値だ。
この1.6ℓの4気筒ターボ・ディーゼル・ユニット本体は、2.2ℓのi-DTECよりも47kg軽い。また、このCR-Vは4WDではなくFWDモデルのため、合計では69kgも軽い。
■どんな感じ?
ボディ重量が減った結果、シャシーは鋭くなった。アンチロールバーが太くなり、トレーリング・アーム・リア・サスペンションのトー・スタビリティが向上させ、スプリングがソフトに、フロント・ダンパーが固められた結果、機敏さがCR-Vに加わった。ステアリングもクイックでより正確なものとなった。スタビリティとコントロールも良くなっている。また、乗り心地も良くなっている。
1.6ℓのi-DTECエンジンの活発さは、旧い1.6ℓエンジンに見られたパワー不足を補ってはいる。ピークパワーは4000rpm、ピークトルクは2000rpmで発揮されるが、ミッドレンジではそれほどパワフルさは感じない。ライバルであるCX-5と同等の走りをしようとするのであれば、6速マニュアル・ギアボックスを活発に動かさなければならないだろう。
サード・ギアで充分だと考えていても、実際にはセカンド・ギアに落とすことが必要だし、高速道で十二分な加速を得るためにはギアを2つ落とさなくてはならない。スイート・スポットは2500rpmから3000rpmの間だが、その間に回転を保っていても、パンチが不足しているのだ。
CR-Vの魅力のひとつはその大きなブート・スペースだ。レイアウト的にもインテリアは良く考えられている。但し、短いシート・クッションは太腿の支持が今ひとつだし、ダッシュボードのプラスティックの材質にも文句がある。
価格はまだ発表されていないが、£22,000(330万円)からで、S、SE、SRという3つのトリムが用意される。
■「買い」か?
このクルマは、カンパニー・カーとして使われることが予想される。従って、会社がその代金を支払ってくれるかどうかというところだ。しかし、そのCO2排出量はそれほど低いわけでなく、税制的にもそれほど有利ではない。2.2ℓのi-DTECよりパワー的にも劣るというのも事実だ。もちろん、通常の仕様では1.6のi-DTECでも充分なパワーではあるのだが。
(AUTOCAR)
ホンダCR-V 1.6 i-DTEC
価格 | NA |
最高速度 | 182km/h |
0-100km/h加速 | 11.2秒 |
燃費 | 22.2km/ℓ |
CO2排出量 | 119g/km |
乾燥重量 | 1543kg |
エンジン | 直列4気筒1597ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 118bhp/4000rpm |
最大トルク | 30.6kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |