フェラーリSF90ストラダーレとは 初のPHEV、詳細解説 サイズ/スペックは?

公開 : 2019.10.09 06:50  更新 : 2021.10.11 09:25

フェラーリSF90ストラダーレ。跳ね馬初のPHEVを、詳しく解説します。780psのエンジンに、モーター3基。システム出力は1000psを実現。内外装、空力、スペックを紹介します。

はじめに

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Ferrari S.p.A

フェラーリから発表された「SF90ストラダーレ」は、跳ね馬の歴史上初となるプラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル(PHEV)で、最もパワフルで俊足な市販ロードカーである。

308GTB以来の長い歴史を持つ8気筒ミドシップ・ベルリネッタの後継車ではなく、ラ フェラーリに代表されるプレミアム・モデルとの間に位置する新たな高性能車レンジを担当するモデルとなる。

フェラーリSF90ストラダーレ
フェラーリSF90ストラダーレ

モデル名の「SF90ストラダーレ」は、2019年シーズンのF1グランプリに参戦するF1マシンSF90の名を受け継ぎ、イタリア語でロードカーを意味するストラダーレを組み合わせたもの。

SF90ストラダーレ最大の特徴はフェラーリ初となるプラグイン・ハイブリッド・システムを採用し、8気筒ミドシップ市販車で初となる4WDを備えることにある。

ミドに搭載される3.9L V8ターボ・エンジンはフェラーリ8気筒モデル史上最高となる780psを発揮し、ここに3基のモーターによる220psが加わり、トータルの最高出力はフェラーリのロードカーとして最大となる1000psにも達する。

PHEVであることに加え、そのハイパワーを確実に路面に伝えるために、最新の電子制御によりエンジンとモーターを統括的に制御して4輪を駆動するもので、挙動も検知してアシストすることにより、限界域でのドライビングが安全に楽しめる。

外観

これまでのどのレンジにも属さない新たなジャンルに属するSF90ストラダーレだけに、そのエクステリア・デザインは内包する先進メカニズムに負けない全く新たな造形が採用された。

基本的なラインは従来の8気筒ミドシップ・ベルリネッタとは全く異なり、近年のフェラーリ・プレミアム・モデルからインスピレーションを受け継いだという。

フェラーリSF90ストラダーレ
フェラーリSF90ストラダーレ

デザインはフェラーリ社内のフラビオ・マンツォーニ氏率いるマラネッロのチェントロ・スティーレ(デザインセンター)が担当したもの。スタイリング的にはスーパースポーツとして先鋭化しているが、各部を見てゆくとフェラーリらしい優美さを受け継いでいる。

デザイン的にはドラッグ低減と前面投影面積を減少させるためにキャビンを前進させた「キャブ・フォワード」レイアウトで、リアのオーバーハングは切り詰められ、ミドシップ・カーであることを主張する。

キャビンはコンパクトなドーム形状で、Bピラー部分らリアフェンダーにかけての造形は力強さを表現。リアフェンダー先端にはディーノ206gtに始まるサイド・インテークのモチーフが現代的解釈で継承されている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事