フェラーリSF90ストラダーレとは 初のPHEV、詳細解説 サイズ/スペックは?

公開 : 2019.10.09 06:50  更新 : 2021.10.11 09:25

装備

1000psを発揮するスーパースポーツだけに、運転支援システムはパフォーマンスを安全に楽しむためのビークル・ダイナミクス・コントロール(トラクション、ブレーキ、トルク・ベクタリング)が積極的に採用されている。

eSSC(エレクトリック・サイドスリップ・コントロール)は、4輪すべてのトルクに、3つの革新的なダイナミック制御と分配ストラテジーを行う。

エレクトリック・トラクションコントロール(eTC)

フェラーリSF90ストラダーレ
フェラーリSF90ストラダーレ

ICE(内燃エンジン)と電動モーターのトルク供給を最適に管理し、各ホイールにドライビング・スタイルとグリップに合わせて分配される。

ABS・EBDによるブレーキ・バイ・ワイヤ制御

ブレーキ・コントロールを油圧システムと電動モーターとの間で分配させ(ブレーキ・トルク・ブレンディング)ブレーキング時における回生エネルギーを回収し、性能とブレーキ・フィールを向上させる。

トルク・ベクタリング

コーナリング時に前輪イン側とアウト側のグリップを個別に管理し、コーナー脱出時のトラクションを最大化させ圧倒的なドライビングを可能にする。

RAC-e(電子コーナリング・セットアップ・レギュレータ)は、2基のフロント電動モーターが独立してトルクを制御し、トルク・ベクタリングのコンセプトを拡張するシステムで、加速時に前輪がトラクション全体を助け、限界域でのドライビングを一層コントローラブルにするもの。

アセット・フィオラーノ・パッケージ

新ブレーキ・バイ・ワイヤ・システムは、電動モーター(ジェネレーター)でダイナミック・エネルギーを回収し、ドライバーに気づかれることなく油圧と回生ブレーキによるエネルギーを電子制御でミックス。

一般的なブレーキング時は電動モーターによるエネルギー回生が優先されるが、ハード・ブレーキング時は油圧システムが介入して電気システムをアシストする。

フェラーリSF90ストラダーレ
フェラーリSF90ストラダーレ

また、SF90ストラダーレには、フェラーリとして初となるヴァリエーション・モデルが用意された。

標準仕様に加え、「アセット・フィオラーノ・パッケージ」と呼ばれるサーキット走行のために性能を突き詰めた仕様だ。高いリア・スポイラーが備わるほか、内装の簡略化と各部をカーボンパーツに置き換えることにより30kgの軽量化を実現。いわばこれまでの8気筒スペチアーレ・モデルを当初からカタログ・モデルにしたものといえる。

スペック

車名:フェラーリSF90ストラダーレ
パワートレイン:3990ccV8ターボ+モーター
ステアリング:右/左
全長:4710mm
全幅:1972mm
全高:1186mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1570kg
前後重量配分:前45%/後ろ55%
最高出力(エンジン):780ps/7500rpm
最大トルク(エンジン):81.6kg-m/6000rpm
比出力:195ps/L
最高出力(モーター):220ps
システム統合出力:1000ps
バッテリー容量:7.9kwh
燃料タンク容量:68L
最高速度:340km/h
0-100km/h加速:2.5秒
0-200km/h加速:6.7秒

フェラーリSF90ストラダーレ
フェラーリSF90ストラダーレ

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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