【電動ラグジュアリーSUV対決】メルセデスEQC vs テスラ・モデルX vs ジャガーIペイス vs アウディeトロン 後編
公開 : 2019.12.15 09:50 更新 : 2021.04.27 07:06
番外編:充電のヒミツ
サイモン・デービス
ベンやマットがミルトンキーンズへの帰路で経験した充電における災難を聞いても、モデルXに乗っていると思わずにやりとしてしまう。
なによりもテスラが誇る素晴らしいスーパーチャージャーネットワークこそがモデルXでもっとも印象に残ったポイントだった。簡単に使うことができ、その充電スピードは驚きでしかなかった。
それでも、クルマそのものの出来にはややガッカリさせられた。乗り心地は洗練されているとは言い難く、これほどの価格を掲げたモデルとしてはキャビンに侵入してくるロードノイズもまったく許容できるレベルではなかった。
EQCは運転していないが、ステアリングを握った3台のなかでどれか1台を選ぶとすれば、アウディの心休まるキャビンと快適さを優先したシャシーセッティングに心惹かれることになるだろう。
ベン・サマーレル-ユーデ
実際に運転してみればIペイスが他の3台を大きく凌ぐモデルだと考えられていたが、ミルトンキーンズへの帰路を経験した後では、このクルマに7万5000ポンド(985万円)を支払う気には残念ながらなれない。
最初は単に自分が不幸にも故障した充電スタンドに出くわしただけだと思っていたが、毎回必ず充電を終えるまでに最低1回は「初期化失敗」に見舞われ、何回かはまったく充電できなかったことを考えると、車両そのものに電気的な不具合が発生していたと考えざるを得ない。
今回参加したのは長期テスト車両でもあり、担当しているクロプリー編集長には、もう誰も雨の中でバッテリー切れに見舞われることの無いよう是非この不具合を解消して欲しいと願っている。
マット・ジョイ
eトロンのナビが自信満々に宿泊したホテルから30数キロ離れたグロスター郊外にあるエコトリシティ社の充電ステーションへのルートを表示したのは、ミルトンキーンズへと戻る最後の145kmへと出発する前だった。
残念ながらこの充電ステーションはまだ設置されておらず、これがこのクルマの最大の問題を表していた。
eトロンは同じような内燃機関モデルに匹敵する素晴らしいドライビング経験を楽しませてくれたが、充電ネットワークに関しては依然として運任せであり、まったくストレスフリーとは言い難い状況だった。
今回の4台のなかで、テスラは決してクルマとしてベストな出来栄えという訳ではなかったが、その充電ネットワークの充実ぶりは群を抜いており、この状況が変わるまで個人的に選ぶべきモデルは決まっている。