GRスープラの起源がここに トヨタ・セリカXX 2000GT(A60)前編 「あの形」の背景

公開 : 2019.10.19 05:50  更新 : 2021.10.11 14:52

懐かしい、約40年前の近未来

トヨタはA60型セリカXXの登場からずいぶん経ってから、ロータスの関与を認めている。

ジウジアーロ由来のスタイリングはもちろんだが、ドライバビリティに関しても、A60型セリカXXは「ハンドリング・バイ・ロータス」だったのだ。

セリカXXが祖先ということになるGRスープラ。BMW製のストレート6エンジンとシャシーを使用するが、スタイリングは先代のA80スープラの面影がある。
セリカXXが祖先ということになるGRスープラBMW製のストレート6エンジンとシャシーを使用するが、スタイリングは先代のA80スープラの面影がある。

当時のロータスはトヨタとの関係を深めており、トヨタ製のパーツも積極的に採用していたので、これは「やっぱりね」という成り行きだったわけだが。

だがこのクルマを有名にしたのはCMではなく漫画の方だった。

週刊少年ジャンプで連載されていた「よろしくメカドック」である。このタイトルを聞いて即座に白いセリカXX 2800GTを思い浮かべるのは、昭和30~40年代男だろうか。

セリカXXは、インテリアにも新たな時代の匂いを一杯に詰め込んでいた。ソアラが初めて採用し、話題をさらった「エレクトロニック・ディスプレイメーター」はその代表的なもの。

バーグラフのようなレブカウンターとデジタル表示の速度や、燃料計、水温系という近未来的なメーターパネルに、当時のクルマ好きたちは大いに熱くなっていたのである。

現代の眼から見ると「リトラクタブル」というだけで懐かしさを感じてしまうA60型セリカXX。後編では5速MTの2000GTを実際にドライブし、そのフィーリングを確かめてみます。

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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