マイナーチェンジ BMW X1 xドライブ25dに試乗 エクステリアを一新
公開 : 2019.10.14 09:50
BMW製のコンパクトなクロスオーバー、X1。エクステリアデザインが新しくなりインテリアの質感も一層高められました。しかしトップスペックのディーゼルは、X1の最有力ではないとする英国編集部。ミュンヘンで評価しました。
ライバルはアウディQ3とレクサスNX
2代目のBMW X1はかなりの大成功を収めている。2015年の発売以来、2009年に発表された先代を上回る販売台数を記録し、昨年だけでも28万台以上が世界中のオーナーへと渡っている。最大のライバルは、アウディQ3とレクサスNXとなるだろう。
そんなプレミアム・コンパクト・クロスオーバーという人気カテゴリーの成功モデルだからこそ、高い支持を持続することは難しい。エンジンの改良が必要となるほど環境規制は厳しくなり、明確に競争力のあるメルセデス・ベンツGLBも姿を表した。BMWはX1のマイナーチェンジの潮時だと判断したのだろう。
X1のモデル中期に与えられたデザイン上の変更は、従来のBMWの内容と比べると、かなり大幅と呼べるレベル。そもそも2代目X1のエクステリアデザインは、ライバルほどのビジュアルインパクトは備わっていなかった。
LEDヘッドライトの形状が一新し、キドニーグリルは主張が強くなった。フロントバンパーのデザインも新しくなり、フォグランプは円形から長方形へと変更。リアバンパーやLEDテールライトのデザインも更新され、新デザインのアルミホイールも設定された。
インテリアにも手が加えられ、より高級感漂う雰囲気を獲得している。インフォテインメント・システムはタッチモニター式の10.3インチ。ロータリーコントローラーに加えて、音声での操作も可能となっている。内装の素材も高品質なものに置き換えられている。
最高出力231psで、燃費は20.4km/L
X1のラインナップも見直され、エントリーグレードは前輪駆動のsドライブ16i。1.5L 3気筒ターボガソリンを搭載する。最上位グレードが今回試乗するxドライブ25d。2.0L 4気筒ターボディーゼルを搭載し、4輪を駆動する。
すべて合わせると7種類のグレードが存在することになる。プラグイン・ハイブリッドを搭載するxドライブ25eも、フェイスリフトに合わせて新しく導入されるが、英国のショールームに並ぶのは2020年になる予定。WLTP値で56.9kmを電気の力だけで走行可能となる。
xドライブ25dが英国や日本市場へ導入されるかどうかは未定だが、パフォーマンスは優れている。車重は1575kgで、最高出力231psを発生。最大トルクは1500rpmから45.8kg-mを発生させる。
8速ATが標準装備となり、静止状態からの発進や追い越し加速などでの力強さは、このクラスとしては標準以上といえる。0-100km/h加速に要する時間は6.6秒だ。
ディーゼルエンジンには排気ガスを浄化させるため、尿素を用いたSCR触媒コンバーターを採用。回転フィールも非常に滑らかで、存在感も控えめ。燃費は20.4km/Lで二酸化炭素の排出量も128g/kmと、お財布にも環境にも優しい部類に入るだろう。
BMWによれば、シャシー周りの変更は与えていないとのこと。X1は引き締まったサスペンション・スプリングとダンパーを備え、4輪駆動システムと組み合わされることで、優れた動的性能を獲得している。xドライブ25dの走りはスポーティと呼べると思う。
ステアリングの重さは、エコやコンフォート・モードでは適切な手応えだが、スポーツ・モードに変えるとやや人為的に増す印象がある。ボディの姿勢制御は、このクラス標準で見ればかなり優秀。ボディロールの発生も穏やかで漸進的だ。