1.4L 4気筒のPHEV フォルクスワーゲン・パサートGTEに試乗 気取らない上質

公開 : 2019.10.15 09:50

磨き込まれたパワートレインと乗り心地

右足に強く力を入れるとエンジンは目覚めるが、その介入は至ってシームレス。質感の良い車内は外界との隔離感も高く、一般道で走らせている限りは4気筒ターボが回転している実感もほとんど湧いてこない。

エンジンが活発に動くような場面でも、タコメーターの針はレッドゾーン目掛けて上昇するものの、洗練性や存在感の優れた印象は維持。調律の効いたサウンドを奏でたり、トップエンドのパワーを感じたりするユニットではないが、遠く離れたエンジンが気に障ることもない。

フォルクスワーゲン・パサートGTE アドバンス
フォルクスワーゲンパサートGTE アドバンス

6速DSGも充分に変速は素早い。電気モーターの回転し初めの強力なトルクも充分に活かせている。さらにGTEは乗り心地も良好。標準装備となるスポーツサスペンションは少しエッジが立つところがあるものの、硬すぎるということはなく、常に落ち着いた印象を与えてくれる。

煮詰められたサスペンションは起伏の多い路面でもしなやかに受け流し、轍や隆起した部分を通過しても綺麗に衝撃を丸めてくれる。低速時に酷い路面を通過すると頭を揺さぶられる傾向にはあるが、不快と感じることはないはずだ。

アダプティブ・ダンパーが追加される、895ポンド(11万円)のダイナミック・シャシーコントロールを選べば、乗り心地はさらに優れる。スポーツモードでは地形の影響を一層上質に制御できるようになるが、コンフォートモードのできが素晴らしい。ダンパーから適度に力が抜け、良好な姿勢制御を保ちつつ、乗り心地の快適性も高めている。

控えめなデザインに包まれた洗練性と快適性

コーナリング時でも不安感のないハンドリングを得ており、常にコンフォート・モードでも不満のないバランスの良さだ。サスペンションなどを個別に設定できるモードも備えているが、このバランスは上手に反映させたいところ。

快適で上質で、気取らないプラグイン・ハイブリッドのサルーンやステーションワゴンを探しているのなら、パサートGTEアドバンスは優れた選択肢となりえるだろう。ただし、3万8940ポンド(517万円)というやや強気の価格も受け入れる必要はある。

フォルクスワーゲン・パサートGTE アドバンス
フォルクスワーゲン・パサートGTE アドバンス

GTEならインテリアは上質なレザー仕立てで、シートヒーターも付く。9.2インチモニターではフォルクスワーゲンのディスカバー・ナビゲーション・プロも標準で利用が可能だし、実用性も高い。

BMW 330eと同等の運転する楽しさは備わらないし、メルセデス・ベンツC300deほどの高級感も備わっていない。だが快適で洗練された静かな走りを味わいたいのなら、控えめな見た目以上に、充分に訴求力は高いモデルだといえるだろう。

フォルクスワーゲン・パサートGTE アドバンスのスペック

価格:3万8940ポンド(517万円)
全長:4775mm
全幅:1832mm
全高:1457mm
最高速度:222km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:71.4km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1730kg
パワートレイン:直列4気筒1395ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:215ps(システム総合)
最大トルク:40.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック

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