EV戦略の要 トヨタ「超小型EV」 5h充電で100km走行、シティコミューター
公開 : 2019.10.17 13:30
ビジネス向けの超小型EVも
市販予定の超小型EVは、短距離での営業や巡回業務などのビジネスユースも想定している。一方で、同じコンポーネントを利用したビジネス向けに特化された超小型EVのコンセプトも提案されている。
同コンセプトカーは、市販向けの超小型EVと同等のサイズと性能を備えるが、移動だけでなく、駐車中にPC作業や休憩も行える移動オフィス的な機能が与えられている。
この機能は、モードに合わせて、車内が可変する仕組み。例えば「オフィス」モードでは、ステアリングが格納され、シート前にデスクが現れ、デスクに内蔵されたPCにより作業を行うことができる。
シアターモードとは
またリフレッシュに使える「シアターモード」では、フロント天井前側に内蔵されたスクリーンを引き出すと、車両のガラスが自動的に曇りガラスとなり、プライベート映画館が誕生するなどの複数のモードが備わる。
とてもユニークなコンセプトカーだが、超小型EVが強力なアシスタントとなる可能性を示したといえよう。
試乗できるEV TMSに
東京モーターショー2019では、超小型EVは展示のみとなるが、トヨタが市販に向け実証実験などを行っている最新EVの試乗体験も提供される予定だ。
試乗が行えるのは、日常生活をサポートしてくれる歩行領域EVと近距離移動用EV「i-ROAD」となる。特に歩行領域EVは、「立ち乗りタイプ」「座り乗りタイプ」「車椅子連結タイプ」の3種類が用意される。これらは、2020年から2021年の間で、市販を目指しているものだ。登場すれば、最も身近なEVの1つとなるだけに、ぜひ注目してほしい。
今後、トヨタは、EV普及を目指し、既存のビジネスモデルに拘らず、志を同じくする仲間をオープンに集い、新たなビジネスモデルにも前向きに取り組んでいく方針だ。
すでに、超小型EVにも多くの法人や自治体が関心を示しているといい、その数は、現時点で40以上にも上る。このため、われわれの生活の中で、日常向けの小さなEVたちが活躍する日は想像するよりもずっと早く訪れるかもしれない。