トヨタ新型ヤリス 世界初、白線なしの駐車枠をメモリ 「アドバンスト・パーク」とは

公開 : 2019.10.16 15:01  更新 : 2021.10.11 09:25

システムの仕組み・疑問点

アドバンスト・パークの「メモリ機能」は、システムが見ている映像のなかの特徴を記憶するという仕掛け。

言い換えると、見渡すかぎり真っ平ら、なんていう場所では使えない。

ヤリスZ(プロトタイプ)の外観。外装色は新開発のアイスピンクメタリック。
ヤリスZ(プロトタイプ)の外観。外装色は新開発のアイスピンクメタリック。

では、真っ暗な場所ではどうだろう? 前後方向はヘッドランプ/テールランプが照らすので問題ない。車体側面はというと、ボディサイドに搭載された赤外線LEDを照射するので状況を認識できるという。

つまり、夜間でも問題なく機能するのだ。

また、安全上の配慮からパレット式のパーキングなどは本機能の対象外とされているが、開発陣の話では、一般的な運転で出会う駐車枠は「ほとんどの状況で使える」という。

なお、メモリ機能は3箇所まで登録することができる。

他社の駐車支援とどう違う?

他社の駐車支援システムと大きく異なるのは、切り返しをしない駐車を目標に開発されていること。素早くスムーズに駐車すること、つまり日常使用に耐えるシステムを目指している。

駐車時の速度は、設定メニューのなかに「駐車速度」という項目が存在し、「速め」「標準」「遅め」を選択できる。

アドバンスト・パークでヤリスが駐車操作に入っても、周囲360°を監視してくれる。
アドバンスト・パークでヤリスが駐車操作に入っても、周囲360°を監視してくれる。

また他社のシステムでは、パーキングブレーキ操作まで自動で行うものもある。しかし、ヤリスは電動パーキングブレーキを搭載していないので、ドライバーが行う。後退時にリバースにシフトする操作も人間が行う必要がある。

安心なのは、駐車支援で車両が動いている間も、周辺360°を監視してくれること。例えば、子どもが車両の後方に現れたら、警告音/メッセージとともにブレーキが作動する。

日本発売 来年2月

メモリ機能を含むトヨタ初の高度駐車支援システム「アドバンスト・パーク」は、新型ヤリスのハイブリッド車にオプションとして設定される見込みだ。

また、アドバンスト・パークというシステムは、超音波センサー、カメラ(パナソニック製)を利用しているため、「パノラミックビューモニター」と「インテリジェント・クリアランス・ソナー」も必要になる。

ヤリスZ(プロトタイプ)の外観。外装色は新開発のアイスピンクメタリック。
ヤリスZ(プロトタイプ)の外観。外装色は新開発のアイスピンクメタリック。

新型ヤリスの日本発売は、2020年の2月中旬を予定している。今回紹介したアドバンスト・パーク以外にも、最新の安心安全・先進技術がコンパクトカーに搭載されるとあって、小型車のマーケットで話題を呼びそうだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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