マイナーチェンジ フォルクスワーゲン・パサート・オールトラック2.0に試乗
公開 : 2019.10.19 09:50
アップデートを受けた8代目パサートの中でも、一番のルックスの良さを持つのがクロスオーバーのオールトラック。優れたアピアランスに匹敵する、スマートな走りにはあと一歩及ばないようです。英国の一般道で評価しました。
もくじ
ー4年目を迎えた8代目VWパサート
ーパサートワゴンの中で一番のハンサム
ーエンジンや乗り心地の磨き込みにやや不満
ーライバルモデルの完成度は低くない
ーフォルクスワーゲン・パサート・オールトラック2.0 TDI 190 4モーションDSGのスペック
4年目を迎えた8代目VWパサート
2015年に発表された8代目となるフォルクスワーゲン・パサート。4年目を迎え、かなり控えめだが、アップデートを受けた。
車高が僅かに高められ、4輪駆動システムを備えるエステート、オールトラックがパサートに登場したのは先代が現役だった2010年。豊富な積載量に程々のオフロード性能を備え、ボルボではクロスカントリーが、アウディではオールロードクワトロが、それぞれ人気を得ているタイプのクルマだ。
2019年版では、排気ガスに含まれる微粒子を吸着するパティキュレート・フィルターが標準装備となり、ヘッドライトとテールライトがLEDとなった。最大209km/hまで部分的に自律運転をしてくれるトラベルアシストも標準で全モデルに採用されている。
アダプティブ・クルーズコントロールには、最高速度の道路標識を読み込んで動作する機能が追加。スイッチやアクセルペダルでスピードを乗せることも可能だが、次の標識が出てくると自動的にその速度に設定し直される。高速道路などでは実環境にそぐわないと感じる場面もありそうだ。
インテリアにはフディスカバー・インフォテインメント・システムを装備。モニターは8インチのタッチパネルとなっている。ケーブルなしでスマートフォンと連動でき、アップル・カープレイやアンドロイド・オートを利用できるようになった。新しいパサートを選ぶなら、スマートフォンも新しい機種を持っていた方が機能を享受できることになる。
パサートワゴンの中で一番のハンサム
2.0 TDIに搭載される2.0Lのディーゼルターボは、英国では唯一のエンジンの選択肢で189psを発生。トランスミッションは7速デュアルクラッチATだ。4輪駆動となる4モーションにはオフロード・モードが備わる。
パサート・ワゴンの中では、オールトラックが最も見た目で優れていると感じる。特にありがちなシルバーのボディではなく、専用カラーとなる鮮やかなグリーンが新鮮さを加えている。
エクステリアでは、黒い樹脂製のホイールアーチ・エクステンションやバンパーモールが付いてオフロード感を演出。試乗車は新しい18インチのアルミホイールを履き、オプションのビューコリック・ポトルグリーンと呼ばれる特別色が美しい。車内外で、ステンレスやアルミ、クロームメッキ仕上げのパーツが雰囲気をきりりと引き締めている。
ダッシュボードのデザインは発売から4年が経過した今でも古臭さは感じられない。内装はクロス張りが標準で、レザー・インテリアが1900ポンド(25万円)のオプションなことは、少々残念。
車内空間は広々としており、前後席ともにゆったり座れる。ラゲッジスペースもパサートらしく広い。ラゲッジスペースのフロア高が開口部と揃っており、重たい荷物の出し入れには便利そうだが、その分高さが削られていることにもなる。