長期テスト トヨタ・カローラ(1) 世界で最も売れるクルマに興奮はあるか
公開 : 2019.10.19 10:50 更新 : 2021.01.28 16:58
理想的なファミリーカーの予感
今回選択したオプションはボディ色のみ。スターリングシルバーで、795ポンド(10万円)の追加が必要だった。結果、車両価格は2万9870ポンド(397万円)となり、1.5Lのフォード・フォーカスSTラインに迫。このフォーカスSTラインはカローラの宿敵でもある。
インテリアのデザインはエクステリアの流れをうまく引き継げていない。インフォテインメント・システムはタッチモニターで歓迎できるが、物理ボタンの利便性はほどほど。車内全体の雰囲気は普通で、予算の都合も感じてしまう。
居心地が不快というわけではないが、フォーカスほど快適でもない。フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツと比べると、やはり並列には置けない仕上がりではある。
操縦性はフォーカスほどシャープではなく、とても軽いステアリングフィールが、それを協調しているようだ。だが質感は高い。高速道路での長距離運転は、CVTやパワートレインの静かさもあって、印象的なまでに安楽。
バッテリーのみでの走行でも可能で、インパネに「EV」のマークが表示されないと、エンジンが掛かっているのかどうか、わからない場合すらある。ライバルひしめくファミリー・ハッチバックの中で、他とは一線を画する内容を得ているように感じる。数カ月後、どんな結論を導くのか楽しみだ。
トヨタのカローラから、こんな感情を得られること自体が既に新しい。どこにでもある量産車ではなく、理想的なファミリーカーが誕生した気がしてならない。
セカンド・オピニオン
わたしが新しいカローラ・スポーツで自宅に帰った時、初め妻は冴えない顔をした。以前オーリスを所有していたのだ。少し先入観を解いて、と伝えた。それから実際に妻がカローラを目にすると、予想通り納得したような、悪くないリアクションをしてくれた。
第一印象はシャープなデザインを持ち、充分なリアシートを備えた、一緒に暮らしやすそうなハッチバック。そこにこのクルマの魅力の本質があるのだろうか。英国編集部でつまびらかにしていきたい。(ダミアン・スミス)
テスト車について
モデル名:トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
新車価格:2万9075ポンド(386万円)
テスト車の価格:2万9870ポンド(397万円)
オプション装備
スターリング・シルバー・ペイント:795ポンド(10万円)
テストの記録
燃費:19.2km/L
故障:なし
出費:なし