FFでも退屈じゃない 最新F40 BMW 118i Mスポーツに試乗 モダンなハッチバック
公開 : 2019.10.21 09:50
実用性と上質さが大幅に引き上げられたBMWのコンパクト・ハッチバック、1シリーズ。英国の荒れた路面でも優れた乗り心地を披露しました。前輪駆動となっても、嘆く必要はないと英国編集部はまとめています。
変化するBMWのドライバーを支える
英国にも上陸した3世代目となる新しいBMW 1シリーズ。このF40型になって多くの意見が上がるようになったが、筆者としては今の時代にあるべき姿だと思っている。
1980年代のサルーンのイメージが強い層にとって、本物のBMWではない感じる人もいるだろう。だが現代の1シリーズのターゲットとする層が描くイメージは、大きく異なっている。E34型の5シリーズを愛車としてきたドライバーには、少し理解しにくいモデルかもしれない。
2019年のいま、BMWを購入しようという30歳前後のドライバーにとって、BMWといえばX1やX3、2シリーズ・アクティブツアラーが代表されるモデル。実際、街なかでこれらを目にする機会も多い。BMWの変化するドライバー層を支えることが、1シリーズの大切な役目なのだ。
新しい1シリーズの後ろ姿は、3シリーズのように、どこかレクサスっぽい。フロントやサイドは、エッジの立った織り目が多用されたデザインだだが、強い個性までは得られていないと思う。
一方で新しい1シリーズのスタイリングには、かつてのBMWのイメージを継承している部分もある。充分に考えられ、不格好とは感じられないスタイリングだと思う。読者はいかがだろうか。
エンジンは、英国ではディーゼル版が115psの116dから始まり、190psの120d xドライブが最もパワフルなものとなる。ガソリン版は今回試乗する140psの118iから始まり、M135i xドライブが頂点を飾る。
グレードはSEとスポーツ、Mスポーツとおなじみのラインナップ。オプション・パッケージも従来どおり用意される
広く実用性の上がった車内
SEとスポーツに装備されるサスペンションは通常のコイルスプリング。Mスポーツには車高が低くなり、引き締められたスプリングが付く。アダプティブダンパーはオプション。ただしアダプティブダンパーを選ぶと、19インチのアルミホイールやMスポーツ・プラス・パッケージは組み合わせられない。
この試乗車には、Mスポーツ・サスペンションに19インチのアルミホイール、ランフラットではないタイヤと6速マニュアルが組み合わされていた。ATの場合、エンジンによって7速ツインクラッチか、通常の8速ATが割り振られる。
クルマの骨格となるプラットフォームは、ミニ・クラブマンやBMWのコンパクトモデルなどと共通。全長や全幅が異なり、着座位置も違うため、他のモデルとの共通性は感じにくい。しかし左右のタイヤの間隔、トレッドはミニやBMW X1と同値となる。
先代と比較して車内は広くなり、使いやすさも向上。後席シートや荷室の広さは立派なものだ。FF化に伴う恩恵だといえる。一方でインテリアの質感はさほど良くなっていない。組付けの良くないプラスティック製部品が目に付く。高価な素材を用いたソリッドで惹きつける雰囲気は、感じ取りにくい。
テクノロジー面は充実している。エントリーグレードでも8.8インチのタッチモニター式のナビを含むインフォテインメント・システムと、部分的にモニター式となるメーターが付く。1500ポンド(20万円)のオプションを選べば、より大きなインフォテインメント・モニターに全面モニターのライブコピット・プロフェッショナルと呼ばれるメーター、ハーマン・カードン製オーディオが装備される。
アップル・カープレイなどのスマートフォン接続機能は標準装備ではない。BMWコネクテッド・ドライブの1つとして付いてくる機能だ。