ロードテスト アリエル・アトム4 ★★★★★★★★★★

公開 : 2019.10.19 11:50  更新 : 2019.10.29 21:01

走り ★★★★★★★★★☆

アトム3.5Rに積まれたホンダ製4気筒ベースのスーパーチャージャーユニット、K20Zは6100rpmで33.6kg-mを発生した。アトム4のK20ターボは、42.9kg-mに4000rpmで達する。トルクが増加しアクセスしやすくなったことは、軽量ボディと相まって、非常に大きな増強に感じられる。

その結果、この走る鉄骨は、景気よく操縦しなくても、ヘヴィウェイトなパフォーマンスカーに匹敵する走りを見せる。4速固定での48-113km/hは4.2秒で、725psのアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラにコンマ1秒後れるのみだ。実際の高速道路でこの2台が遭遇したら、低回転からでも高回転でも、かなりの勢いでアトムがオーバーテイクすることはありうる。

LUC LACEY
LUC LACEY    機械吸気のドラマティックさも恋しいが、このターボユニットに文句はない。

また、十分予期できることだが、スタートはかなりスマートだ。オプションでローンチコントロールも装備できる。ただし、その電子制御デバイスのダイヤルをゼロにして、ギアを2速に入れ、停車時のリミッターが作動する5000rpmまでエンジン回転を上げれば、あとはクラッチの繋ぎ方次第でどれくらいホイールスピンさせるか決めるのも可能だ。

1速を飛ばしても、ターボがしっかり利いていればホイールスピンさせることができる。しかし、完璧なシフトワークをすれば、500万円台のライトウェイトスポーツが、5倍近い価格のエキゾティックカーと変わらぬ0-97km/h加速タイムをマークする。われわれの最速タイムは3.1秒だったが、路面が文句なしのコンディションで、さらに1名乗車だったら、3秒切りは十分にありうる。

このターボエンジン、過給が効いて中回転域で大トルクを叩き出すまでには1秒かそこらの間がある。しかし、驚くほどデリケートなスロットルのコントロールと、ほかにはないほど回りたがる性質は、ホンダの最新4気筒ターボにも残っている。

高回転でのサウンドも秀逸で、吸気音はそれほど大きくなく、内燃機関の音を存分に味わえる。ただし、旧来ユニットにあったリニアなパワーデリバリーや繊細なレスポンス、絶叫するようなエキゾーストノートは持ち合わせていない。

正直言って、高回転域でドラマティックに応えてくれる、これまでのスーパーチャージャーユニットが恋しくなるときもある。しかし、時とともに先へ進まなければならず、将来を見据えて最善の選択をしなければならないのは否定できない。

アトム4の直4ターボは、おそらく間違いなく、アリエルのようなメーカーが手に入れられるエンジンとしては最上級のものだろう。ターボであるかどうかは問わず、選ぶ価値があるものだ。

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