次期型メルセデスAMG C63 V8に替わり4気筒ハイブリッドを採用の見込み
公開 : 2019.10.19 07:50 更新 : 2021.01.30 21:38
最大トルクは76.3kg-m
現在は開発の初期段階にあるため、公式には何も発表されていない。しかし、アッファルターバッハの関係者によると、この4気筒エンジンを使った新しいハイブリッド・ドライブトレインは、現行のC63 S 4マチックが搭載する4.0L V8エンジンの510psに匹敵するパワーを発揮するという。
排気量とシリンダー数は半分になるにもかかわらず、電気モーターによるブーストのおかげで、最大トルクは76.3kg-mと、現行のC63 Sの71.4kg-mを大きく上回るという。
技術的な詳細はまだ不明だが、リチウムイオンバッテリーの容量は、現行のCLS53 4マチック+で使われている0.9kWhより大きくなると思われる。各車輪で減速エネルギーを電気に変換するエネルギー回生システムも、現在より進化したものが採用されるだろう。
新しい電動化ドライブトレインを採用する最も大きな利点の1つは、フロント・アクスル上の重量を軽減できることだ。
M139型直列4気筒エンジンの重量は160.5kgと、現行のC63に搭載されているM177型V8エンジンより48.5kgも軽い。これにディスク型モーターやインバーターを加えても、現行のパワーユニットと比べれば軽くなると言われている。
また、この新型パワープラントは重量がより低い位置に集まっているため、新型モデルは現行より重心が低くなる。つまり、理論的には敏捷性が向上し、ボディロールが低減するというわけだ。
後輪駆動にもなる四輪駆動システム
さらに次期型C63には、前後輪の駆動力配分を完全に可変できる新しい四輪駆動システムの搭載も計画されている。これは大型のE63に使われているシステムと同様、ドライブモードの選択によって駆動力を後輪のみに送ることも可能になる。
次世代のAMGモデルには、すべてこのシステムを採用すると、AMGのトビアス・ムアーズCEOは以前、AUTOCARに語った。純粋な後輪駆動から四輪駆動への移行は、顧客の要望によるものだという。
次期型C63に4気筒エンジンを採用するという決定は、企業別平均CO2排出量の削減に急ぐメルセデスの多大な努力の一環だ。その技術には、メルセデスAMGワンの開発で得られた知見が応用されている。