ボウラー・ディフェンダー・チャレンジ 英国クロスカントリー選手権に挑戦 ラリー世界への第一歩 前編
公開 : 2019.11.10 07:50
クルマなのに「転倒」?
上手くデフを痛めつけることなく前へと進むことができたが、だからと言って調子に乗ってはいけない。ここでは転倒など日常茶飯事なのだ。
クルマなのに「転倒」とはおかしいと思うかも知れないが、このディフェンダー・チャレンジが持つ秘密を正直に言えば、それはこうしたマシンは簡単に転倒してしまうということであり、これをメカニックは「眠りにつく」と表現している。
このクルマを転倒させるなど簡単であり、もちろん決して喜ばしいことではないが、それでも転倒したからと言ってケガをすることは稀であり、この週末の冒険を諦める必要などない。
一旦こうした状況が理解出来れば、スピードなど出そうとは思わず、ゆっくりと歩くようなペースでディフェンダーを前へと進ませることになるだろう。
さらに、もし閉所恐怖症気味であれば、マーシャルから遠く離れた場所で5点式シートベルトに固定されたまま天地がひっくり返るのは、決して経験したくはないに違いない。
少なくともトムリーの指示は驚くほど正確なものであり、息つく暇もなかった最初の周回でさえ、このウェールズ人は、おおよそのコーナーの角度と方向、そして次のコーナーまでの距離という頼りになる3つの情報を教えてくれた。