長期テスト フォルクスワーゲン・ポロGTI+(最終回) 毎日のホットハッチ
公開 : 2019.10.26 10:50
ポロとしてマニュアル版も試したい
ポロGTIの積む200psを発生する2.0Lエンジンとの相性も良くない。結果として、エンジンのポテンシャルを完全に引き出そうという気が薄れてしまう。その気になれば200psを発揮させることは不可能ではないけれど。
「GTI」という名前からは、快適性と尖った性能を上手に融合させた仕上がりを期待してしまう。ゴルフGTIはそれが成功している。弟分のポロGTIは、ちょっと点数が及ばない。
そう考えていた時、筆者の兄のことを思い出した。学校では成績が良く、外交的で運動も得意だった。わたしは控えめで体力もあるとはいえない方。だが独立して比較されなくなり、自分らしく生きれるようになった。だからゴルフと比較するのはやめようと決めた。
その後はポロGTIへの見方が少し変わった。ハイエンドのポロとして高い快適性を備え、鋭い加速と尖った走りを楽しめるパワーもある。痛快なホットハッチには及ばなくても、充分に補うだけの別の魅力もある。実際、運転していて不満を募らせることはなかった。
トランクリッドから「POLO」のエンブレムは外すべきではなかった。ポロとしてお勧めできる部分は沢山ある。エンブレムをPOLOに張り替えて、MTに載せ替えて欲しい。もしMT版がリリースされたら、すぐに試したいと思う。
マニュアルなら、溢れんばかりのパワーを扱いやすく、楽しく引き出せるだろう。毎日楽しめるパフォーマンスとして、優れた組み合わせになると思う。「POLO GTI」のエンブレムに相応しい仕上がりになる気がする。
セカンド・オピニオン
ポロGTIは以前から二度見されるようなクルマではなかったが、このポロのデザインは少し大人しすぎると思う。インテリアデザインは平凡。硬質なプラスティックも目立つし、タータンチェックのシートはGTIらしいとはいえ、フォード・フィエスタSTのバケットシートほど特別感があるわけでもない。実用主義に感じられる。(トム・モーガン)
気に入っているトコロ
タータンチェックのシート:やや定番すぎるものの、GTIらしいし機能的。
加速力:アクセルペダルを上手に扱えば、2.0Lエンジンは求めるパワーを発揮してくれる。
クルージング時の快適性:高速道路や国道、郊外の山道、長距離短距離を問わず、ポロGTIは常に快適。
気に入らないトコロ
DSG:残念に感じるほど変速に一貫性がない。2.0Lの可能性は、もっと引き出せるはず。
ハンドリング:酷いわけではないが、ホットハッチに期待するほどのレスポンスと直感性には及ばない。