期待通りの優雅な時間 フランスの自動車コンクール シャンティイ 前編
公開 : 2019.11.03 07:50 更新 : 2020.12.08 10:56
英国からフランスまで自走で参加
風光明媚なフランス北部、ピカルディ地方で開かれた非公式のラリーにも多くのクルマが出走。 ブガッティ・ブレシアからポルシェ917まで、見事なパレードランとなった。
アストン マーティンDB4GTのオーナーでもある英国の実業家、エイドリアン・ビークロフトは英国のオックスフォードシャーから自走でコンクールに参加。景色を楽しみ、クラス優勝を遂げ、日曜日の夕方に自らのドライブで家へと帰った。
ベントレーのサルーンとともに、スタイリッシュなベントレーS1コンチネンタルで英国から参加したドライバーも。ドーバー海峡を超えて、フランス北部のカレーの街から雄大なクルージングを楽しんだことだろう。
今年で5年目を迎えるシャンティイ・アート&エレガンス。7年前に、ポルシェの大ファンとして知られるスイスの王子、ラヒム・アガ・カーンと、歴史的なレースイベントを主催するパトリック・ピーターとの出会いから生まれたコンクールだ。
フランスで開かれていた名門コンクール、ルイ・ヴィトンク・ラシックが2003年に終了。それ以来パトリック・ピーターは、一流と評されるイベントの復活を考えていたものの、適した開催地を見つけられずにいた。
そこでドメーヌ・ド・シャンティイ財団のメンバーでもあったラヒム・アガ・カーンは、シャンティイを候補地として提案する。シャンティイには素晴らしい古城があり、競馬場とミュージアムも併設されている場所。アイデアはすぐに採用された。
マルチェロ・ガンディーニの歴代モデルも
シャンティイ・アート&エレガンスは、4回目までは毎年開かれ成功裏に終わっていた。だがル・マン・クラシックとの同時開催は過密過ぎるということで、2017年から交互に2年毎の開催へと改められている。
今年のハイライトだったのは、スタイリストの伝説、マルチェロ・ガンディーニが手掛けた歴代の17台。アルファ・ロメオT33カラーボからルノー・シュペールサンクGTターボまで、幅広く揃った。
ランボルギーニ・ミウラの量産モデルやアルファ・ロメオ・モントリオール、ランチア・ストラトス、マセラティ・カムシン、ブガッティEB110、アウトビアンキA112ランナバウト、シムカ・シェイク、フェラーリ308GTなどそうそうたる顔ぶれだ。
シャンティイ・アート&エレガンスの特徴は、オリジナル・コンディションのクルマを評価する、プリザベイション(保存)クラスがあること。今年は1913年のロドネー・ベルビルHC4と、レストアを受けていない3オーナーのフェラーリ・デイトナが選ばれている。
一方で細心の注意を払って復元された、独創的なスタイルを持つブガッティ・タイプ37Aも展示。ドイツ人レーサー、ウィリー・シーベルのために白く塗られたボディには公道走行用の装備が付けられている。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで初めて開らかれたグランプリに出場したマシンだ。
この続きは後半にて。