ジェリー・マクガバン 新型ディフェンダーのデザイナーにインタビュー 前編
公開 : 2019.11.02 18:50
純粋主義者の怒り
このデザイントップの発言にそれ以上反対するものはほとんどいなかった。ランドローバー社内のマーケティング担当者はこのクルマの年間販売台数を3万台と予想したが、実際には13万台を越える大ヒットを記録したことで、後に苦難の時期を迎えることにはなるものの、一時的にJLRの財務を大幅に改善することにも成功している。
「新型ディフェンダー」の先行モデルとして多くが思い出すのが、2012年にさまざまなカラーとボディバリエーション(ショートホイールベースのオープンとハードトップだ)で登場したDC100だろう。
このコンセプトでは、英国版AUTOCARを含むメディア向けに、カリフォルニアのビーチを舞台に写真撮影を含めた試乗会が行われたが、試乗会ではさまざまな議論が巻き起こった。
このクルマのサイズと現代的なシンプルさは、わたしを含めた多くにとって非常に魅力的に映ったが、伝統的なランドローバーとは明らかに異なるそのコンセプトは、頭の固い純粋主義者の怒りを買うこととなった。
それでも、マクガバンは大きなトラブルに見舞われることなくこの事態を乗り切っている。「ひとびとの大きな期待というものはあまり考えないようにしていました」と彼は言う。「そして、メンバーの耳にもそうした雑音が入らないようにしたのです。もし、こうした状態を放置していたら、チームに悪影響を及ぼすことになったでしょう」