ロードテスト ダラーラ・ストラダーレ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.10.26 11:50  更新 : 2019.10.29 19:18

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

いっぽう、ストラダーレの走りに特段上品なところはない。まずは静粛性だが、雨風を遮るものがないロードスターである以上、それは望めない。オープンモデルとしては、同類のクルマに比肩するが。ウインドシールドは、キャビンを外的要因から滅多にないほど保護してくれる。高い速度での風の巻き込みからはとくに。

そしてもし、それで防ぎきれないとなったときに必要なヘルメットは、シートの背後にすっぽり収めることができる。アルカンターラが巻かれたステアリングホイールのリムは細く、しっかり握るにはレースグローブを着けるといいだろう。

洗練性は感じられないが、それをこのクルマに望むのが間違いだ。
洗練性は感じられないが、それをこのクルマに望むのが間違いだ。    LUC LACEY

しかし、ウインドスクリーンやグローブでは解決できない問題がある。騒々しい音だ。スロットルを戻したとき、スポーツエキゾーストが発する破裂音とともに、低速でディファレンシャルが発するそれは、ひとびとの注目を集めてしまう。

騒ぎを起こさずにストラダーレで長距離を走ることは可能だが、翌日の夜は早いうちに帰らねばならない。しかも、リアビューの欠如が引き起こす疲れは避けられない。

また、快適性のレベルは体調にも左右される。というのも、シート形状がモノコックの形状に沿ったもので、アジャストできないからだ。テスターのほとんどが、腰のサポートが足りないという。気になり出すのは、1時間以上乗り続けた場合だが。

乗り心地そのものは、総じて上々だと思うが、高速道路を走っている限りはすばらしくしなやかで、それを補完するのが穏やかで軽いステアリングだ。

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