マイナーチェンジ レクサスRX 450h Fスポーツ 優れた快適性 ライバルへ接近
公開 : 2019.10.28 09:50
都市部で相性の良いハイブリッドシステム
0-100km/h加速に要する時間は7.7秒と瞬発力は充分だが、CVTがその実力を濁している。ペースを速めて勢い良く走らせようにも、CVTからの唸り声が気持ちを阻害してしまう。
一方で、今回の試乗ルートでもEVモードで走行する場面が何度かあったが、ハイブリッドは都市部での走行との相性がとても良い。数km程度の移動なら、電気だけで走ることも難しくないはずだ。
レクサスはEVとしての走行距離はさらに長いと説明している。実際、テストコースの一部で検証した結果、66kmの区間のうちEVモードとして走った距離は32%。時間で見ると40%もの間、エンジンは掛かっていなかった。その際のクルマの平均速度は53km/hとなっている。
上質なインテリアのデザインは基本的に変わりはないものの、機能面で改められている。インフォテインメント・システムのタッチモニターはドライバーよりにレイアウトし直され、コントローラーは扱いやすいトラックパッドに変更された。
ダッシュボード中央にはCDプレイヤーが残るが、アップル・カープレイや音声認識機能など、ライバルモデルの水準に合わせたテクノロジーも搭載。BMWやボルボのシステムの方が直感的に操作できるし、見た目もいい。それでもRXのインテリアも、充分にオーナー候補者を惹きつけられる豪奢さは備えていると思う。
ライバルとの距離を縮めたRX
試乗車は5万5205ポンド(750万円)のRX 450h Fスポーツ。最も人気のグレードと予測され、オプションを選ばずとも装備は充実している。レーダークルーズコントロールやパーキングサポート・ブレーキなど、高度な安全技術や自律運転支援システムを搭載する。
試乗車の場合、後列にもシートヒーターが内蔵され、マークレビンソン製のオーディオや、車両の周囲映像を映し出すパノラミックビューモニターなども備わっていた。
ボルボXC90ツインエンジン、プラグインハイブリッドと比較すると、パワーで劣るRXの価格は魅力的ではある。だが英国の場合、二酸化炭素の排出量と課税割合を考えると、コストの差はそれほど大きくもない。
ドイツ・ブランドのライバルモデルが居並ぶ中で、はやりレクサスRXは個性的なスタイリングを好む層向けの、第3の選択肢ではある。しかし今回のマイナーチェンジで快適性や装備を改善し、ダイナミクス性能も引き上げてきた。これまで以上にライバルとの距離を縮めたことは間違いない。
レクサスRX 450h Fスポーツのスペック
価格:5万5205ポンド(750万円)
全長:4890mm
全幅:1895mm
全高:1685mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:12.5−12.6km/L
CO2排出量:172g/km
乾燥重量:2100kg
パワートレイン:V型6気筒3456cc+電気モーター2基
使用燃料:ガソリン
最高出力:312ps
最大トルク:−
ギアボックス:CVT