マツダMX-30 海外の反応は? 東京モーターショーでインタビュー 注目は観音開きドア
公開 : 2019.10.29 11:40 更新 : 2021.03.07 00:13
観音開きドア 実用性に疑問を持つ向きも
ヨーロッパの自動車メディア編集者(匿名希望)
「MX-30のデザインは独自性があるのは認めます」
「しかし、あの小さな後部ドアはどうでしょうか。デザインを印象付ける上で存在感があるとは思いますが、ドアはかなり小さいため実用性が不明です」
「もちろん、見た目だけなので、実際に乗り降りしないとわかりませんが」
「同じようなドアはマツダRX-8で採用されており後部座席の乗降性に大きく貢献していました」
「SUVスタイルのMX-30ではあまり意味がないように思います」
中国から来た一般来場者(匿名希望)
「マツダブランドのクルマは、中国でも人気があります。とくに、MX-5(日本名:ロードスター)RFはとってもカッコいい。中国では製造しておらず日本からの輸入車になりますが、それがMX-5の価値を一層高めていると思います。(純日本車だからということ)」
「今回、たまたま仕事で日本に来ていたので東京モーターショーを見に来ることができました。MX-30素敵ですね! 中国は今、いろいろなメーカーからたくさんのEVが販売されています。ですが、中国メーカーのEVは信頼性が欧州や日本製のモノに比べて大きく劣ります。全部が全部ではないですが」
「マツダ製のEVなら何の心配もないでしょう。そしてデザインも美しい。もう少し大きい方が中国では人気が出そうですが、わたしは中国で販売されることを願っています。絶対買いますよ!(笑)」
EV/魂動デザイン新時代 変わらぬものも
筆者は2015年から海外来場者に東京モーターショーで印象に残ったブースや車両について聞いてきた。
合計すると10か国30名以上になるが毎回ほぼ全員が、「印象的だった」「素晴らしいデザインだった」と答えるのはマツダ車である。
2015年はRX-ビジョン、2017年はビジョン・クーペが圧倒的支持を集めていた。欧州の人々はマツダ推し、アメリカやアジアの人々はトヨタ推しの傾向が強い印象だと筆者は感じる。
マツダ車は日本車の中でも欧州志向が強いメーカーとして知られている。欧州への進出も1960年代後半からと早く、魂動デザイン以降(2012年~)はとくにフルモデルチェンジを機に魂動車率が増えるにしたがって、グローバルの販売台数も伸びて来た。
グローバル販売台数は、2012年124万8690台(魂動デザイン率13.3%)→2018年161万4418台(同93.7%)
また、ペットネームが主流となる日本車の中で、マツダ2、マツダCX-5、マツダCX-30など数字+アルファベットに統一するなど車名の方もグローバル化(というより欧州化)が進んでいる。
今回発表、発売されたマツダ初の量産EVとなるMX-30も世界発表と同時に欧州での受注が開始された。デリバリーは2020年以降とのことだ。
女性が開発主査というのも日本の自動車メーカーの中では非常に珍しい。そして内装にコルク材を使った経緯など、歴史的なストーリー性があって好感が持てる。
魂動デザインが新時代のものになっても、絶妙な陰影で独自性をアピールするスタイルは日本の伝統美に通じるものがある。
未来感あふれるスタイルではなく、端正で清楚で暖かい内外装は日本人好みともいえる。日本での販売が待ち遠しい。