ロードテスト ルノー・メガーヌRS ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.11.02 11:50 更新 : 2021.03.05 21:34
結論 ★★★★★★★★☆☆
3世代目のルノー・メガーヌRSは、早くも頂点に位置するトロフィーRを投入してきた。じつのところ、それが本当に最上のメガーヌRSなのだとすれば、だが。
結局のところ、思い出すべきなのは、かつてR26Rが当時のメガーヌがフルモデルチェンジする1年前に登場し、最初のトロフィーRはその世代の有終の美を飾るモデルだったということだ。
そして、2016年に登場した現行の4代目メガーヌは、世代交代までまだ間があるはず。となれば、ルノー・スポールにはこのサーキット志向の超辛口FFハッチのパフォーマンスを、さらに磨き上げる時間的猶予があるだろう。馬鹿げた話だと思うかもしれないが、ぜひとも先へ進んでほしい。
そうであるなら、手を入れるべき最大の問題はパワートレインにこそある。エンジンもギアボックスもトロフィーRの走りにおいてはこれで十分だというのなら、それはこの名を持つクルマをあまりに軽視していることになる。そして、本体だけで700万円近い金額を払わされるオーナーたちには、真にスペシャルな一台を求める権利がある。
シャシーやサスペンションに関しては、限界域でも悪ふざけできないほど仕上がっており、これ以上は望めないかもしれない。公道でもサーキットでも、ハンドリングのアジリティと運動性の安定感は秀逸だ。走行会に持ち込むクルマとしては、パフォーマンスも信頼性も申し分ない。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
ライバルモデルたちの多くと異なり、サーキットテストが好天に恵まれたとはいえ、トロフィーRのパフォーマンス面における優位性はリスペクトすべきものだ。ドライビングは心から楽しめた。もっとも、エンジンがよければなお楽しかっただろうが。
サイモン・デイヴィス
個人的にトロフィーRは、現行メガーヌのホットモデルの中ではダントツのお気に入りだ。それでも、自腹で買うならシビックRを選ぶだろう。最後の磨きが足りない印象で、これに比べるとシビックこそ完璧なホットハッチだという思いがますます強くなる。
オプション追加のアドバイス
1万2000ポンド(約162万円)のカーボンホイールはとんでもなく高価なオプションだが、5万ポンド(約675万円)以上をサーキット志向のホットハッチに支払おうというなら、いっそ毒を食らわば皿まで、という気にもなるだろう。ついでに、サベルトのスペアタイヤネットもオーダーしてしまおう。
改善してほしいポイント
・もっとパワーを。そして、もっと有効範囲の広い出力特性を。
・サスペンションのアジャストをもっと簡単にしてほしい。フォードGTのような、油圧車高調整機構が、ホットハッチにも付いていたらいいのだが。
・適切な、フルアジャスト可能な電子制御式ローンチコントロールがあれば、0-97km/h加速で5秒の壁を破れるだろう。