ザ・コンクール・デレガンス・ジャパン2013
2013.7.19-21
7月19日から21日までの3日間、横浜美術館でザ・コンクール・デレガンス・ジャパン2013が開催された。
コンクール・デレガンスは、その語源がフランス語であることからもわかる通り、フランスの自動車趣味を起源とする文化的な嗜みで、そのルーツは1920年代のパリの社交界といわれている。それは自動車が真のステータスシンボルとして扱われた時代のことだ。この頃の自動車はメーカーからエンジンやアクスルが組み付けられたローリングシャシーの状態で出荷され、そこにコーチビルダーと呼ばれるボディ架装業者が誂えたボディを組合わえて完成するオートクチュールだった。そのひとつひとつを芸術品として評価したのが始まりである。
そのコンクール・デレガンスが登場して約1世紀。そのスタンスは世界に波及し、1929年に第一回が開催されたヨーロッパ最古のコンクールといわれるイタリア・コモ湖畔で開催されるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステや、アメリカ西海外の名門ゴルフコースであるペブルビーチ・ゴルフリンクスで開催されるペブルビーチ・コンコースは、その格式や伝統において現代のコンクール・デレガンスを代表するイベントとして広く知られている。
ザ・コンクール・デレガンス・ジャパン2013は、わが国における唯一のコンクール・デレガンスとして、今年はじめて開催されることとなった。コンクールにエントリーした自動車は、黎明期のモデルから1970年代中頃にまでに生を受けた40台。おしなべて学術的、文化的に希少性が高いものばかりだ。
これらの出店車は、有識者によって構成される特別審査委員会と、一般の来場者の投票によって、スタイリングの美しさのみならず、時代考証や各部のオリジナリティ、そして保存状態などが評価される。
審査員は、審査委員長に日本クラシックカークラブ委員長の門脇伸夫氏、審査委員には、元ピニンファリーナのデザイナー、奥山清行氏、日産自動車COO、中村史郎氏、元ドイツ・オペル・デザイナー、児玉英雄氏、ルイ・ヴィトン自動車コミュニティ担当アンバサダー、クリスチャン・フィリップセン氏、英国AUTOCAR誌編集長、スティーブ・クロップリー氏、英国Classic & Sports Car誌編集長、ミック・オルシュ氏、そしてAUTOCAR JAPAN誌編集長、笹本健次が務める。
ザ・コンクール・デレガンス・ジャパンは自動車文化をしっかり継承し、評価しつつ、未来へとつながっていく自動車像に思いを馳せるエクスクルーシブな魅力を秘めた大人のクラシックカー・イベントなのである。
なお、このイベントは7月19日は12:00〜18:00まで。20日・21日は11:00〜18:00まで開催された。また同時開催イベントとして、横浜美術館でAUTOCAR誌表紙で辿るクルマの100年史。横浜赤レンガ倉庫では、7月20日はランボルギーニ・オーナーズ・ミーティング・バイ・コンクール・デレガンスが、7月21日はスペシャルショップ・フェスティバルが行われた。また19日から21日までクラシック・フォーミュラ・ワンの展示も行われた。
ザ・コンクール・デレガンス・ジャパン2013 動画レポート
ランボルギーニ・オーナーズ・ミーティング by コンクール・デレガンス 動画レポート
CLASS A
- 1910年式 スチュードベーカー・スピードスター
- 1926年式 ブガッティT37
- 1927年式 アミルカー CGSS
- 1928年式 ブガッティT40GS
- 1929年式 ベントレー6 1/2リッター・スピード6
CLASS B
- 1932年式 キャデラックV12ビクトリア・コンヴァーティブル
- 1933年式 アストン・マーティン1 1/2リッター・ル・マン
- 1934年式 ロールス・ロイス20/25クーペ
- 1935年式 ベントレー3 1/2リッター
- 1935年式 ロールス・ロイス20/25HPランドーレット
- 1937年式 ブガッティT57ヴァントー
- 1939年式 ベントレー4 1/4リッター・スポーツ・サルーン
CLASS C
- 1948年式 ジャガー3 1/2リッター・マークIVドロップ・ヘッド・クーペ
- 1951年式 アストン・マーティンDB2ヴァンテージ
- 1953年 アルファ・ロメオ1900Cスプリント・ピニンファリーナ・クーペ
- 1953年式 ベントレーRタイプ・ドロップ・ヘッド・クーペ
- 1960年式 メッサーシュミットKR200
- 1960年式 ダットサン・フェアレディSPL212
- 1960年式 ロールス・ロイス・ファントムV
CLASS D
- 1961年式 ロータス・タイプ14エリートS2
- 1961年式 ファセル・ヴェガ・ファセリアF2
- 1964年式 ポルシェ904GTS
- 1964年式 シェルビー・コブラ427
- 1967年式 ポルシェ911S
- 1967年式 ランボルギーニ400GT 2+2
- 1967年式 ローラT70 Mk.III
- 1969年式 フェラーリ365GTB/4デイトナ
- 1971年式 ランボルギーニ・ミウラP400SV
- 1974年式 フェラーリ・ディーノ246GTS
Best of Show | 1937 Jaguar SS100 |
Class A : First Place | 1926 Bugatti T37 |
Class A : Second Place | 1927 Amilcar CGSS |
Class A : Third Place | 1928 Bugatti T40GS |
Class B : First Place | 1937 Jaguar SS100 |
Class B : Second Place | 1933 Aston Martin 1 1/2 Litre Le Mans (Second Series) |
Class B : Third Place | 1934 Rolls-Royce 20/25 coupe |
Class C : First Place | 1947 Fiat 1100 Spider Stabillimenti Farina |
Class C : Second Place | 1954 Ferrari 250 Europa |
Class C : Third Place | 1960 BMW Isetta 300 Export |
Class D : First Place | 1961 Lotus Type14 Elite S2 |
Class D : Second Place | 1971 Lamborghini Miura SV |
Class D : Third Place | 1974 Ferrari Dino 246GTS |
Special Prize : Best Preserved Car | 1967 Lamborghini 400GT 2+2 |
Special Prize : Most Innovative Prize | 1948 Tucker Torpedo |
Special Prize : Perfect Restration Prize | 1964 Shelby Cobra 427 |
Special Prize : Most Elegant Prewar Car | 1937 Bugatti T57 Ventoux |
Special Prize : Most Elegant Postwar Car | 1953 Bentley R type d.h.c. |
Special Prize : Jury’s Special Award | 1937 Datsun 16 Coupe |
Special Prize : Most Exciting Postwar Car | 1967 Lola T70 Mk.III |
Audi Special Prize | 1935 Bentley 3 1/2Litre Close-Coupled Saloon |
The Classic Car Club of Japan Special Prize | 1931 Rally N.C.P |
Mayor of Yokohama Special Prize | 1960 Messerschmitt KR200 |
People’s Choice First Place | 1971 Lamborghini Miura SV |
People’s Choice Second Place | 1948 Tucker Torpedo |
People’s Choice Third Place | 1967 Lola T70 Mk.III |
特別展示車両
- 2012年式 アルファ・ロメオTZ3
- 2013年式 ロールス・ロイス・レイス
- 2013年式 ベントレー・フライング・スパー
- 1937年 ロールス・ロイス25/30スポーツ・サルーン(故吉田茂元首相愛車)
審査風景
ランボルギーニ・オーナーズ・ミーティング by コンクール・デレガンス / 併設イベント
- 西川淳氏、吉田由美氏によるトークショー。
AUTOCAR誌表紙で辿るクルマの100年史 / 併設イベント
新型最高級車合同試乗会 / 併設イベント
スペシャルショップ・フェスティバル / 併設イベント
F-1特別展示 他
ガラ・パーティ&表彰式
- ガラ・パーティ&表彰式
- 審査員
- サックス奏者、Ukoさんによるライブ