スバル・レガシィ・ツーリングワゴンGT-B(BG5) カタチ/パワー、ワゴンの価値観を変えた

公開 : 2019.11.02 05:50  更新 : 2021.10.11 13:38

レガシィ30年の歴史を振り返る1台

今回撮影車輛として借り出したレガシィ・ツーリングワゴンGT-Bのオーナーは、なんとスバルである。自動車メーカーが自社の過去のアーカイブを研究実験用に維持している例は珍しくないが、これを広報車として貸し出しているのは稀だ。

スバルは今年、歴代のレガシィを確保してメンテナンスを施し、30年前にはじまった革命を振り返ろうとしているのである。

1995年にデビューしたレガシィ・グランドワゴンはステーションワゴン・ベースのクロスオーバーSUVの先駆けとなった。日本でレガシィ・グランドワゴンとして販売されたモデルは北米ではレガシィ・アウトバックという今日まで続く名称が用いられていた。
1995年にデビューしたレガシィ・グランドワゴンはステーションワゴン・ベースのクロスオーバーSUVの先駆けとなった。日本でレガシィ・グランドワゴンとして販売されたモデルは北米ではレガシィ・アウトバックという今日まで続く名称が用いられていた。

2代目レガシィはデビューから3年後の1996年にマイナーチェンジが施されており、ツーリングワゴンのGT-B(のMTモデル)とセダンのRSに280ps版のEJ20が搭載されている。

またGT-BとRSにはビルシュタインの倒立ダンパーが標準装備され、リアに大型のエンブレムが掲げられたことでも話題を呼んだ。

初代レガシィはステーションワゴンに対するバンや商用車といった旧いイメージを払拭し、2代目は動力性能と運動性能を高めスポーツワゴンというカテゴリーを定着させたことで後世に語り継がれる1台となっている。

2代目レガシィの功績はもうひとつある。クロスオーバーモデルとしておなじみのアウトバックは、2代目をベースに誕生しているのである。

1995年にデビューしたレガシィ・グランドワゴンは車高を上げたレガシィであり、その後のレガシィ・ランカスター、レガシィ・アウトバックと命脈をつなぎ、ステーションワゴン・ベースのSUVというひとつのカテゴリーを作り出しているのである。

では26年前にクルマ好きを騒がせたハイパワーモデル、レガシィ・ツーリングワゴンGT-Bを試乗してみようと思う。

記事に関わった人々

  • 佐藤正勝

    Masakatsu Sato

    1964年生まれ。1984年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、八重洲PRセンターに入社。86年にF1/ルマン24時間を撮影後何かのスイッチが入ったらしく退社。フリーとなり国内外のレースを撮影。91年に撮影したDTMで、また何かのスイッチが入ったらしくどっぷりドイツ漬けに。現在は撮影のみならず、CS放送でのレース解説や雑誌への執筆も。
  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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