いま改めて試乗 スバル・レガシィ・ツーリングワゴンGT-B(BG5) シンメトリカルの効能

公開 : 2019.11.03 05:50  更新 : 2021.10.11 13:38

古さ感じさせる箇所、そう多くない

カタログによればビスカスLSD付きのセンターデフが装備されている他、GT-BとGTという260~280psのパワフルなグレードだけにはリアにもビスカスLSDが組み込まれている。

とはいえ都内近郊のドライ路面でAWDシステムの核心に触れることなどできるはずもない。

左右のテールランプをLEGACYのロゴが入った赤いガーニッシュでつなげるデザインは初代から受け継がれたものだが3代目には継承されなかった。ドライバーの頭上あたりから盛り上がったルーフのデザインもレガシィ・ツーリングワゴンの特徴的な造形のひとつ。
左右のテールランプをLEGACYのロゴが入った赤いガーニッシュでつなげるデザインは初代から受け継がれたものだが3代目には継承されなかった。ドライバーの頭上あたりから盛り上がったルーフのデザインもレガシィ・ツーリングワゴンの特徴的な造形のひとつ。

シンメトリカルAWDのシステムを透視するように思い描きながらドライブしてみると、確かにフロントの重心が低く感じられる。エンジン縦置き、FRベース的な4駆なので、総じてリアタイヤの方に大きなトラクションが掛かっている印象で、ハンドリングも非常に素直だ。

そして何より、10万キロ近い走行距離にも関わらず、ウインドウまわりがミシリとも言わないことに驚かされる。おそらく「乗りっ放し」の個体ではこうはいかないだろう。

現代車に慣れていると、3速1.00から4速で一気に0.694まで高くなってしまうギア比の離れ方が気になった。あと高速巡行している時、「このクルマにアイサイトや音声認識が付いていたら」なんて真剣に考えてしまった。

だが裏を返せば古さを感じさせる箇所はそう多くないのである。昔乗っていたとか、憧れていたなんていう人にはぜひお薦めしたい。

2代目レガシィのようなネオクラシックをドライブしていると、中古車に乗っているというより好きなクルマに乗っているという印象の方が勝るように思う。

偉大な初代の陰に隠れがちだが、2代目レガシィも現代のスバルのイメージを確立した立役者なのである。

記事に関わった人々

  • 佐藤正勝

    Masakatsu Sato

    1964年生まれ。1984年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、八重洲PRセンターに入社。86年にF1/ルマン24時間を撮影後何かのスイッチが入ったらしく退社。フリーとなり国内外のレースを撮影。91年に撮影したDTMで、また何かのスイッチが入ったらしくどっぷりドイツ漬けに。現在は撮影のみならず、CS放送でのレース解説や雑誌への執筆も。
  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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