BMWのオープン2シーター中興の祖 BMW Z3 アメリカ生まれのオープンエア

公開 : 2019.11.09 05:50  更新 : 2021.10.11 14:52

ライトウエイトから本筋への回帰

90年代半ばに勃発したライトウエイト・オープンスポーツカーのブームはマツダロードスターの後追いによりはじまったと言っていい。

BMW Z3のみならずメルセデス・ベンツSLK、MG-F、フィアットバルケッタ、そしてロータス・エリーゼ等々、世界中のメーカーが忘れかけていた小型オープンカーのマーケットに着目したのである。

Z3クーペは1998年に登場。エンジンは2.8Lと3Lの直6を搭載。写真のモデルはZ3 MロードスターでM3用の3.2L直6エンジンと5速MTを組み合わせている。Z3のフロアには6速MTが入らなかった。
Z3クーペは1998年に登場。エンジンは2.8Lと3Lの直6を搭載。写真のモデルはZ3 MロードスターでM3用の3.2L直6エンジンと5速MTを組み合わせている。Z3のフロアには6速MTが入らなかった。

BMW Z3は1996年のデビュー当初は1.9L直4エンジンを搭載したモデルのみがラインナップされており、トランスミッションは4速ATと5速マニュアルから選ぶことができた。

エントリーモデルの日本の価格は350万円ほどだったので、180~250万円という価格帯だったマツダ・ロードスターの直接的なライバルとは言えないが、BMW製のオープンカーとしてはリーズナブルといえた。

だが1996年から2003年までのZ3のモデルライフを振り返ってみると、シンプルなオープン2シーターを目指した当初の狙いが少しずつ変化していく様子が見てとれる。

2.2から2.8Lの直6気筒エンジンを搭載したモデルやM3用のパワーユニットを搭載したMロードスター、Mクーペといった派生モデルが追加され、BMWらしいプレミアム路線へと少しずつ回帰。その結果として現在まで続くZ4シリーズに繋がっていくのである。

後編では実際に6気筒エンジンを搭載した2002年式のZ3 2.2を試乗し、Z3のドライブフィールに言及してみたい。

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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