試乗 トヨタ新型ヤリス・プロトタイプ 内燃/ハイブリッド/内装の進化は?

公開 : 2019.11.09 00:00  更新 : 2022.12.12 21:29

試作段階 好印象なのは?

最後に、冒頭に記した筆者がベストだと思った1台、ハイブリッドのFWDである。

その直前に試乗したMTの反動か、高回転まで回しても、ハイブリッドのほうが断然静かに感じた。実際、ハイブリッドはハイブリッドということだけではなくて、遮音材の量が多くて、静かなのだ。

新型ヤリスのガソリン車の荷室。
新型ヤリスのガソリン車の荷室。

でもって、15インチだと、走りのほうも快適に感じられる。で、その静かさと快適さに私は新型ヤリスの真髄を見る。

いみじくも、試乗に先立っての商品説明の時間に、開発を担当した末沢泰謙(すえざわ・やすのり)チーフエンジニアは「小ささへのこだわり」ということで、次の3つをあげた。

1. コンパクト・カーとしての「小さいこと」
2. コンパクト・カーならではの「軽快なハンドリング」
3. コンパクト・カーを超える「上質な乗り心地」

駐車支援システムも

トヨタの考える上質さというのは、クラウンから始まった静粛性と快適性のことである。それはレクサスLS400に引き継がれ、こんにちのLS500hへとつながっている。

そして、すべてのトヨタ車はLS500hを目指すのだ。と筆者は思うのだけれど、そのような議論は、2020年2月中旬、新型ヤリスが日本発売されてからでも遅くはない。

高度駐車支援システムは、非常に手際よく入庫する。白線のない駐車枠を登録できるのは世界初。
高度駐車支援システムは、非常に手際よく入庫する。白線のない駐車枠を登録できるのは世界初。

プラットフォームからパワーユニットにいたる主要部品すべて新開発というこの力作を、1台につき1周2.4kmのサーキットを3周しただけで、しかもプロトタイプで判断するのはあまりに早計というものだろう。

超高齢化社会にピッタリの、簡単な操作で、筆者なんぞよりはるかに素早くて正確な自動駐車を実現したトヨタ初の高度駐車支援システムをはじめ、先進安全装備をてんこ盛りしてもいる。

果報は寝て待て。新型ホンダフィットも発売となる。コンパクト・カー新時代がやってくる!

ヤリス・プロトタイプ 日本仕様参考値

1.5L ガソリン車 トヨタ社内測定値

数値はすべてトヨタ社内測定値

価格:-
全長:3940mm
全幅:1695mm
全高:1500mm
ホイールベース:2550mm
最高速度:-km/h
0-100km/h加速:-秒
燃費:-km/L
CO2排出量:-g/km
車両重量:-kg
パワートレイン:直列3気筒1.5L
使用燃料:ガソリン
最高出力:117ps/6600rpm
最大トルク:-kg-m
ギアボックス:CVT

1.5L ハイブリッド車 トヨタ社内測定値

数値はすべてトヨタ社内測定値

パワートレイン:直列3気筒1.5L+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:91ps/5500rpm
最大トルク:-kg-m
ギアボックス:電気式無段変速機

新色アイスピンクメタリックのガソリン車(タイヤ:185/55R16)。
新色アイスピンクメタリックのガソリン車(タイヤ:185/55R16)。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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