ニュルブルクリンクでSUV記録樹立 アウディRS Q8プロトタイプ 助手席試乗
公開 : 2019.11.11 09:50
スーパーSUVの覇権争いに仲間入り
何より驚くべきはRS Q8の俊敏性にある。大きなアンダーステアやボディロールが予想されるコーナーでも、クルマは常にニュートラルでフラット。全体のバランスで見れば、今回の条件ではオーバーステア気味だと感じた。
低速コーナーでは、リアタイヤがコーナーの頂点目がけ進行方向を定めているかのよう。コーナーの出口が見えたら、電子制御のデフの力を借りてアクセルオン。そのままリアタイヤがクルマを押し出し、加速していく。
RS Q8のドライビングモードは「オート」だった。「少し滑りやすい路面状態では、ダイナミックモードではやや安定性を欠きます。コーナーへの侵入から脱出まで、ずっとオーバーステア状態でした」 とスティップラーは笑う。
急激な進路変更もRS Q8には朝飯前。優れたボディロール剛性を得ていながら、サスペンションは充分なしなやかさも備えている。凸凹の縁石に乗り上げても、しなやかに通過していく。
インテリアは、モニター式のデジタルメーターがRS仕様になっていた。しかしテスト車両ということで車内にはロールケージが張り巡らされ、シートはレース用。リアシートも取り外されていたから、量産モデルの雰囲気とは大きく異なっていたけれど。
助手席とはいえ、ニュルブルクリンクでの1ラップはとても印象深いものだった。実際的な評価をするには、リアシートのある状態で運転する必要はある。しかし、スーパーSUVの覇権争いで、ポルシェが独壇場にあるわけではないということは、間違いなさそうだ。