名前が同じなのにコンセプトカーの面影ゼロ 実際に販売されたクルマ、大違い 3選

公開 : 2019.11.12 11:20  更新 : 2021.10.13 13:59

過去にコンセプトで使われた名前が市販車に使われたという例も少なくありません。コンセプトカー時代のキャラクターをそのまま踏襲したモデルも存在しますが、コンセプトカーの面影ゼロとなってしまった車種も。

コンセプトカーの面影ゼロのクルマ

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

開催会場の分断や海外メーカーの参加見合わせが相次ぐなど、開催前はネガティブな情報が先行した東京モーターショー2019

しかしフタを開けてみれば、「総来場者数130万人」と主催者側は発表した。(無料入場者(高校生以下、障害者他)、無料エリアなどすべて含んだ数字)

東京モーターショー2019に登場したスズキ・ハスラー・コンセプト。まもなく登場を思わせる。
東京モーターショー2019に登場したスズキハスラー・コンセプト。まもなく登場を思わせる。

そんなモーターショーの目玉と言えばやはり各メーカーが登場させるコンセプトカーだろう。市販化目前と思われるものから、遠い未来のモビリティをイメージした夢のモデルまで、そのキャラクターはさまざまだが、どのモデルもコンセプトながらキッチリ車名が付けられている。

今回のスズキ・ハスラー・コンセプトのように、まもなく登場を思わせるモデルに関しては従来の車名が継続して付けられることもあるが、ほとんどのコンセプトカーがオリジナリティ溢れる名前が付けられていることに気づくだろう。

しかし、常に登場しつづけるコンセプトカーや新型車にオリジナルの名前を与え続けるというのも、なかなか難しい作業となることは想像に難くないだろう。

実際、過去にコンセプトカーで使われた名前が市販車に使われたという例も少なくない。

もちろんコンセプトカー時代のキャラクターをそのまま踏襲したモデルも存在するが、中にはコンセプトカーの面影ゼロとなってしまった車種も存在しているのだ。

日産プリメーラX 1989年東京モーターショー

1990年に登場した日産のセダンであるプリメーラは、当時の欧州車にも引けを取らないハンドリング性能を持ったモデルとしてモータージャーナリストを中心に高い評価を集めた1台だった。

そんなプリメーラが登場する前年の東京モーターショーに登場したプリメーラXは、クーペとステーションワゴンの中間のようなリアセクションを持ったモデルであり、4ドアセダンというボディ形状を除けば市販車のプリメーラとは似ても似つかないデザインだった。

1989年東京モーターショーに登場した日産プリメーラX。
1989年東京モーターショーに登場した日産プリメーラX。

ただし、フロントに横置きで搭載されるとアナウンスされたSR20DE型エンジンや、フロントマルチリンク、リアパラレルリンクのサスペンションなど、メカニズム的にはプリメーラと同等のものが使われていた。

全く別のモデルとも言えない点も持ち合わせていたのだった。

いすゞ・コモ 1991年東京モーターショー

すでに自社では日本国内向けにトラックやバスといった商用車以外を生産、販売しなくなって久しいいすゞだが、ワンボックス商用車としては日産のキャラバンのOEM供給を受け、いすゞ・コモとして販売している。

そんなコモの名前が使われたコンセプトカーは1991年の東京モーターショーに登場したスポーツカーのようなピックアップトラックスタイルの車種だった。

1991年の東京モーターショーに登場したいすゞ・コモ。
1991年の東京モーターショーに登場したいすゞ・コモ。

エンジンはなんとV12の3500ccをミドシップに搭載し、後輪を駆動する。ドアはガルウイング化され、インテリアをみる限り純然たるスポーツカーのようなバケットシートが備わっていた。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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