試乗 メガーヌR.S.トロフィー新型(EDC) 内装/スペック/価格、筑波で評価

公開 : 2019.11.12 19:25  更新 : 2021.12.28 00:14

「買い」か?

撮影のため構内路を走らせたが、流石に乗り心地は硬い。あれだけの激しい加減速と横Gでのしなやかさと挙動の落ち着きを得ているのだから当然である。

その点ではかなり尖ったスポーツ派限定になるが、もし高性能に求めるものが「派手な走り」と「綺麗な走り」で二分されるとしたら、メガーヌR.S.トロフィーは後者。そして綺麗な走りは効率のよさであり、効率のよさは揺れ返し等の無駄な挙動を抑えるための補正をドライバーに要求しないことでもある。

専用装備のR.S.用ナッパレザー/アルカンタラステアリング。
専用装備のR.S.用ナッパレザー/アルカンタラステアリング。

トロフィーだけが特別な存在というより、ルノーの考える高性能を高純度で結晶化した結果なのだろうが、多いに共感を覚える。

車両価格はメガーヌR.S.(基本モデル)の約50万円高の499万円。試乗したEDC仕様のほかに6速MT仕様があり、こちらは10万円安の489万円である。レカロシート等の専用装備を考慮すれば、納得できる価格設定だ。

Cセグで500万円は安くはないが、同等パワースペックのゴルフRは約580万円。ゴルフRは4WDを採用するので、駆動方式分の差額を引いてもトップエンドのスポーツモデルではお値打ち価格である。

ACCの設定がなく、車線維持支援は逸脱警報止まり。運転支援機能に不満はあるものの、その他の一般的な安全&運転支援機能は揃っている。品よくまとまった内外装もあり、偏見めいた視線を受けることもないだろう。硬い乗り心地も雑味はなく、ハードコアスポーツを乗る満足感を得るに相応である。

実用のために選ぶモデルではないが、性能追求のための実用面の犠牲を最小限に留めているのも好感。ルノー・スポール車が世界でフランスとドイツに次いで日本で売れているのも当然、と思わせるモデルである。

メガーヌR.S.トロフィー(EDC)スペック

価格:499万円
全長:4410mm
全幅:1875mm
全高:1435mm
ホイールベース:2670mm
最高速度:-km/h
0-100km/h加速:5.7秒
燃費:12.4km/L
CO2排出量:-g/km
車両重量:1470kg
パワートレイン:1798cc直4ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/6000rpm
最大トルク:42.8kg-m/3200rpm
ギアボックス:6速オートマティック

専用装備の19インチ・アロイホイール TROPHY。
専用装備の19インチ・アロイホイール TROPHY。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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