BMW M5 コンペティション・パッケージ
公開 : 2013.07.24 19:30 更新 : 2017.05.29 18:00
■どんなクルマ?
これまでで最も速いBMW M5がM5コンペティション・パッケージだ。そして同時に今まで生産されたBMWの中で最もパワフルなモデルでもある。
そのエンジン・パワーは標準よりも15bhp上げられた567bhpとなり、トルクはピークの数値こそ変わりないが、そのバンドは広くなっている。その結果、パフォーマンスは0-100km/hがスタンダード・モデルよりも0.1秒速い4.2秒となり、0-200km/h加速も0.2秒速くなった。最高速度は250km/hでリミッターが作動する。
その大きな変化はシャシーにある。スプリントとダンパーは20%以上も固められ、アンチロールバーも15%固められた。また、シャシー自体は10mm低くセットアップされる。
アクティブMディファレンシャルはスタンドアローンのコントロール・ユニットとなり、ESPのMダイナミック・モードはより大きなスリップ・アングルを可能としている。また、ステアリングは10%もダイレクトになっている。更に、エグゾーストのアクティブ・フラップは、高速時により大きなサウンドを許すようになっている。
外観上の違いは、20インチ・アロイ・ホイールと、グラック・クロームのテールパイプ、そしてゴールドのブレーキ・キャリパーに限られる。
コンペティション・パッケージには、M5のオーナーの1/4が選択するという£6,700(102万円)とい価格のセラミック・カーボン・ブレーキが標準で装備される。
■どんな感じ?
間違いなく世界最高レベルのスーパーサルーンの1台である。M5に対して批判的なことを述べるのは本当に難しい。スタンダード・モデルではブレーキが悲鳴をあげることもあったが、それはカーボン・セラミック・ブレーキが解決してくれる。
1945kgのボディを250m/hまで引っ張るパワーは凄まじいものがあるが、552bhpから15bhp上がったことを確認することは難しい。しかし、5000rpmからレブリミットの7200rpmまでの力は驚くべきものがある。
シャシーについてはどうか。残念ながらスタンダード・モデルとの比較試乗をしなければ、本当の違いを見分けるのは難しい。ただし、明白なのはM5がリミットまで素晴らしいパフォーマンス・ツールであるということだ。
新しいマッピングが与えられたDSCのMダイナミック・モードは作動しやすく、時にしてエストリル・サーキットのスロー・ベンドでは逆に脱出を若干ながら遅らせることになってしまったのが残念だ。しかし、それでもストレート・ペースに遅れを出すようなものではなかった。
■「買い」か?
このM5をハードに走らせたいのなら、サーキットをその舞台に選ぶべきだろう。
コンペティション・パッケージの価格の大部分は、スタンダード・モデルでは弱点だったブレーキのスープアップに使われている。その他の部分については、じっくりと検証することは難しいかもしれない。しかし、M5がよりパフォーマンス・アップしていることは疑いのない事実である。
(スチュワート・ミルネ)
BMW M5 コンペティション・パッケージ
価格 | £80,205(1,228万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 4.2秒 |
燃費 | 10.1km/ℓ |
CO2排出量 | 232g/km |
乾燥重量 | 1945kg |
エンジン | V型8気筒4395ccターボ |
最高出力 | 567bhp/6000rpm |
最大トルク | 69.2kg-m/1500rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |